通信大手のAT&T(T)が現地時間の9月25日、配当のお知らせをリリースしました。
AT&Tと言えば、長期に渡り毎期判で押したように0.04ドルの増配を続けており、その増配率は逓減の一途を辿っていることで有名な銘柄。
今回の発表内容ですが、
・10月12日時点の株主に対し1株当たり0.52ドルを11月2日に支払う。
というもの。
この銘柄の増配タイミングは通常2月の支払い時、ということで今回も前回と同額というある意味至極当たり前の内容。
すでにお伝えしたとおり、直近第2四半期の業績は新型コロナの影響等から非常に厳しい内容でした。
このままコロナが長引けば、12月の増配タイミングでの増配発表に暗雲が垂れ込めます。
ただ配当に関しては以下を明言しています。
・AT&Tは、36年連続で増加している普通株式への配当をサポートすることを約束する。
・2020年通期は、配当性向が60%(台)の範囲になると予想しており、その範囲の下限を目標としている。
そう、配当性向を60%台の下限としている。
これが何を意味するか?
AT&Tの場合、配当性向の計算はフリーキャッシュフローがベースになっている。
フリーキャッシュフローとは、営業キャッシュフローから設備投資を差引き、投資収入等を加算したもの。
そして設備投資額に関してはすでに200億ドルとなることが公言されている。
となれば増配の鍵を握るのは、営業キャッシュフローと投資収入。
しかし新型コロナ流行が年末までに収まる気配は残念ながらない。
ということは、消去法で投資収入に頼るほかはない。
その投資収入に関してAT&Tは以下を公言している。
・AT&Tの最終的な優先事項は、現在の配当を維持することと借入金を返済することであり、AT&Tのポートフォリオはこれらの優先事項に焦点を当てるべきであり、戦略の中核にない資産の売却について検討中である。
そう、非中核資産の売却。
配当の維持を約束した上で資産売却を検討している。
ということで、仮に増配はないにしても12月の配当宣言での減配発表はない。
と考えているのですが、楽観的過ぎるでしょうか?
(連続増配を続けるも、増配率が下がり続けている銘柄への投資にあたってはくれぐれも自己責任でお願いいたします。)
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