国際エネルギー機関(IEA)が3月17日公表の月報の中で、中期予測で、コロナ禍による行動様式の変化は石油需要見通しを不可逆的に変えたと指摘し、ガソリン需要は既にピークを過ぎた可能性があるとの見方を示しました。
在宅勤務の広がり等、コロナによる行動様式の急激な変化と各国政府の低炭素社会に向けた取り組みの加速でガソリン消費が当面抑制される可能性が高いことを理由に、
ガソリン需要は2019年にピークを打った可能性がある、としています。
現在当方はエクソン・モービル(XOM)とロイヤル・ダッチシェル(RDSB)を保有していますが、エネルギー銘柄ホルダーにとって一見すると今回の報道は決して無視できない内容と言えます。
しかし冷静に見ればIEAは原油からの精製品の一つであるガソリン需要がピークを打った可能性がある、と言っているに過ぎない。
一方少々前の情報の再掲となりますが、昨年10月にエクソン・モービルのCEOが従業員にあてた電子メールの内容をご紹介します。(※管理人勝手訳です)
<エネルギーの多様性>
技術が進歩するにつれて社会は低炭素エネルギー源に移行する一方で、石油とガスは長期的なエネルギー構成において重要な役割を果たし続けるでしょう。
実際、IEAは先週表明された政策シナリオの下で、石油とガスが2040年に世界のエネルギー構成の53%にとどまると予想される、という新しい予測を発表しました。
<エネルギーの移行スピード>
エネルギーシステムの移行は、そのサイズ、複雑さ、および効率的に稼働し続けるために必要なインフラストラクチャの量のために長い時間がかかります。
世界の主要なエネルギー形態である石炭に石油が置き換わるまでに約100年かかりました
<原油の世界需要>
私たちの見通しでは、石油需要は年間0.6%増加し、ガス需要は1.3%増加すると予測しています。
枯渇率に伴い、新しい石油生産は年間8%近く増加し、天然ガスは6%増加する必要があります。
IEA(国際エネルギー機関)は、2040年までに12兆ドルから17兆ドルの追加の産業投資が必要になると見積もっています。
エネルギー消費と人口の増加と繁栄の間には直接的なつながりがあります。
人々がより繁栄するにつれて、社会はより多くのエネルギーを必要とするでしょう。
既存のエネルギーシステムで利用できる代替案は不完全であり、サイズ、複雑さ、および既存のインフラストラクチャを考えると、エネルギーの移行にはかなりの時間がかかります
これは業界と当社にとって説得力のある投資事例であり、当社の長期的な戦略と計画の基礎となっています。
確かに地球温暖化による環境問題・危機意識の高まりから今後代替エネルギー、いわゆるクリーンエネルギーへの転換が進むことは間違いない。
さらにクリーンエネルギー政策を掲げるバイデン氏の当選によって、そのスピードは加速する可能性が高い。
しかしエクソンは、そのスピードは世間が思っているほど早くないし、簡単ではない、と考えている。
そして長期的なスパンで見れば、エクソンは新型コロナ流行による今回の原油需要の急減は一時的なものと考えている。
ということで、当方今しばらくはエネルギー銘柄の保有を続けるつもりです。
(一(いち)企業の見通しを妄信しての投資にあたってはくれぐれも自己責任でお願いいたします。)
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おはようございます。
自分も同じ考えです。
福島県に住んでいますが、最近ガソリンの価格が少しずつ上がってきて困っています。やはり車に乗っている以上、ガソリン石油はなくてはならないものです。仕事も化学工業なので、化学反応の種類によっては、1つの反応で1日あたり1トン以上のトルエンを使用することもあります。
ちなみに私の場合、なおびとさんが想像されてるような、立派な上場企業の社員ではありませんw
が、今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
あおばさん
こんばんは。
トルエンも原油から精製されているのですね。
ナフサや航空機用燃料等、原油の用途はすそ野が広いですよね。
当方もりっぱな上場企業の社員(ちなみにりっぱなは”企業”と”社員”の両方にかかります)ではありませんので、ご安心を。w