生活用品大手のプロクター&ギャンブル(PG)が現地時間の10月19日に2023年第1四半期決算を発表しました。(P&Gは6月決算です。)
前回の2022年第4四半期決算では売上は市場予想を上回りましたが、利益の方は予想を下回ったこの銘柄。
果たして今回は?ということで、早速概要を確認。
まず売上高は前年同期比で1%(為替等の影響を除くと7%増)の増収。
セグメント別に見た売上増減の明細は以下のとおり。
前期第4四半期ではビューティー(-1%)とグルーミング事業(-3%)が減収となっていましたが、今回はにグルーミング事業(-4%)のみ減収となっています。
そして全体で見ると数量の減少(-3%)と為替の影響(-6%)を値上げ(価格+9%)で補ったことがよくわかります。
また利益の方ですが、主に原材料費や輸送費の増加等によるグロスマージンの減少を値上げと生産性向上で補えず、会計基準ベースでの1株利益、特殊要因を除いた調整後1株利益ともに前年同期の1.61ドルから1.57ドルへと2%の減益となっています。
但し、アナリスト予想との比較では以下のとおり売上、利益ともに予想を上回っています。
最後に注目2023年の通期見通しですが、売上は-3%から-1%の減収と前回予想を下方修正、そして1株利益は0%から4%の増益を維持したものの”レンジの下の方”とし、実質下方修正しています。
以上アナリスト予想こそ上回ったもののなかなか厳しい数字となりましたが、まったく心配していません。
その理由ですが、まず9%の値上げを実施したにもかかわらず数量の減少は3%にとどまっているのみならず、そのうちの2%以上がロシアにおける数量減少であること。
つまり厳しいインフレ下にあっても価格競争力、というかブランド力の強さは健在であること。
そして今期予想において売上こそ減収となるものの、為替の影響を除いた数字は前回予想を変更していないこと。
さらには、というかこれが一番の理由なのですが、この厳しい環境下にあって今期60億ドルから80億ドルの自社株買いを発表したこと。
これは現時点で言えば、発行済み株式数の2%から2.6%にあたります。
つまり、今期0%から4%の増益+発行済み株式数が2%から2.6%減少するわけで、少々気が早いかもしれませんが次回もというか67年連続増配の可能性が非常に高いということ。
ということで、売上〇、利益×〇、予想× =(でも) ホールド
とします。
(ドル高と原材料費・運送費の増加が続いている銘柄への投資にあたってはくれぐれも自己責任でお願いいたします。)
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