現地時間の1月23日、化学・電気素材大手のスリーエム(MMM)が第4四半期決算を発表しました。
まず会計基準ベースでの概要は以下のとおり。
売上高は前年同期比で0.8%の減収と微減。
但し事業取得・分離0.2%、為替0.9%を除いたいわゆるオーガニック売上高では1.9%の減収となっています。
次に利益の方ですが当期利益で945百万ドルを計上し1株利益が1.70ドルと前年同期の0.98ドルに対し大幅な増益となっていますが、その理由は主に前期においてPFAS製造終了に関する税引前費用(1.15ドル)を計上したため。
<補足説明>
PFASとは、パーフルオロアルキル化合物及びポリフルオロアルキル化合物の略。いわゆる有機フッ素化合物のことであり繊維品・台所器具・電子機器・車部品の表面コーティング等に使用されている。
PFASは発がん性や免疫力の低下など人体に及ぼす悪影響の可能性があるとして、米国環境保護庁(EPA)は2021年10月にPFASに関して規制を強化する方針を発表している。
スリーエムは2025年の終わりまでにPFASの製造終了を計画している。
この費用を含む特殊要因を除いた調整後1株利益は以下のとおり2.42ドルと前年同期の2.18ドルに対し11%の増益となっています。
次にアナリスト予想(FactSet consensus)との比較では、第3四半期に続き以下のとおり売上、利益ともに予想を上回っています。
にもかかわらず発表当日の株価がなぜ約11%もの大暴落となったか?
ですが、今期2024の通期予想(NONーGAAPベース)が、調整後1株利益で9.35ドル~9.75ドルと市場予想の9.90ドルを大きく下回ったため。
スリーエムと言えば言わずと知れた連続増配銘柄でありその年数は65年にも達しています。
ちなみに次回の増配タイミングでの配当のお知らせは例年であれば2月初旬。
もしここで連続増配が途切れるようであればインカムゲイン投資家としては売却を視野に入れねばなりません。
ということで、売上×〇、利益〇、通期予想× 株価大暴落 でも引き続き様子見
とします。
(2024年前半にヘルスケア部門のスピンオフを予定している銘柄への投資にあたってはくれぐれも自己責任でお願いいたします。)
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