銘柄研究

【速報】エクソン・モービル 10月に北海資産売却 報道も減配懸念を払拭できない合理的理由

現地時間の9月22日、ブルームバーグが事情に詳しい人物からの情報として、

エクソン・モービルの北海の資産に関して、中国やクエートを含む国有企業やプライベート エクイティが支援する企業が興味を示している、と報じました。

この北海エリアの資産に関してはすでに6月にエクソンが撤退(売却)の意志を示していた。

入札は10月に予定されており、取引は2021年の第1四半期に完了する予定とのこと。

資産売却の理由ですが、もちろん新型コロナウィルス流行に伴う原油価格の暴落による業績悪化に対応するため。

そしてより具体的には、設備投資資金と配当原資の捻出のため。

ただ今回ニュースの対象となった北海資産の売却のみでは全く不十分。

なぜなら売却希望価格は15億ドル程度と報道されているから。

エクソンの場合、当初予定より30%削減したとは言え、今期の設備投資予定額は230億ドル。

そして配当支払額は150億ドルにも上ります。

これに対して第2四半期時点の営業キャッシュフローは62億ドルにしか過ぎません。

仮に今期の営業キャッシュフローがこの数字の2倍程度だったとしても、150億ドルの配当支払すらまかなえない。

200億ドルを超える不足分を追加借入等でまかなわねばならない、ということになります。

しかし第2四半期決算発表時、ダレン・ウッドCEOは、

「我々の計画は有利子負債を現在のレベルに維持すること。」と述べています。

となれば必然的に、資金不足を補うために取るべき手段の一つが資産売却ということになる。

それが今回の報道につながるわけです。

ただ15億ドルの売却資金ではある意味焼け石に水。

それはエクソン・モービルも承知のはずであり、他の売却を予定している資産、つまりメキシコ湾、そしてオーストラリア沖合に保有する資産を早急に売却すべく動いているはず。

ただそれでも十分とは思えない。

ということで、更なる設備投資資金と人員削減を含むコストカットの実施は避けられない。

「次回10月末の配当宣言までにこれらに関するリリースがない場合、エクソンの減配の可能性は限りなく高くなる。リミットまであと1ヶ月ちょっとか、、、」

そんな風に考えているところです。

(配当維持のために資産売却や設備投資を削減せざるを得ない銘柄への投資にあたってはくれぐれも自己責任でお願いいたします。)

よろしければ応援クリックお願いします。
にほんブログ村 株ブログ 米国株へ
にほんブログ村

POSTED COMMENT

  1. みずほ より:

    ゲゲ、具体的な数字をありがとうございます。さらにカリフォルニア州知事が(いつ時点かわかりませんが)新車購入にガソリン車、ディーゼル車を禁止すると発表しましたよね。今、乗っている車は乗り続けていいそうですね。

    • naobito より:

      みずほさん
      カリフォルニア州は2035年までにガソリン車等の新車販売を禁止するようですね。
      ゼロエミッション時代に向けじわじわと包囲網が狭まっているのは確かですが、ガソリン需要がいきなり激減することはないだろうから、現時点では今回のようなニュースに一喜一憂する必要はないのでは、と考えています。

naobito へ返信する コメントをキャンセル

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です