ウォール・ストリート・ジャーナルが現地時間の1月15日、米証券取引委員会(SEC)が資産評価を巡る内部告発に基づいて米石油メジャー、エクソンモービルの調査に入ったと報じました。
具体的にはエクソンが保有する米南部パーミアンのシェール鉱区の評価資産が実現不可能な開発計画に基づいて算定されている、と告発があったとのこと。
この報道を受け当日の株価は4.8%の下落となりました。
ただ今回の報道に対し、エクソン・モービルはすぐに声明を発表。
その内容(※管理人勝手訳)は以下のとおり。
内部告発者によってなされ、ウォールストリートジャーナルによって報告された主張は、明らかに誤りです。
実際の証明可能なパフォーマンスはパーミアンの掘削計画を上回っており、正確に計上されています。
ウォールストリートジャーナルは9月以降これらの事実を認識していました。
弊社は投資家に対して開示された情報を支持しており、当局からこの件について質問された場合、同社のパーミアン資産の評価の正確さ、および実際の掘削性能が計画を上回ったことを示す情報を提供します。
エクソンモービルには、多くの感応度と結果の範囲を考慮した、広範かつ厳密な計画と予算編成のプロセスがあります。
7か月間の数百の掘削曲線を含む数千の入力が考慮されます。
学習曲線は、現在の掘削性能に最も精通した作業を実行する掘削チームと、他の慣習にとらわれないプロジェクトで実証された学習曲線性能からのデータを活用した開発チームとの間の共同作業として開発されました。
プロセスを通じて検討および評価された複数の学習曲線がありました。
虚偽の主張をしたとされる従業員は、技術が向上し、資源基盤の理解が拡大するにつれて、掘削曲線が定期的に改訂される方法と理由を理解するための幅広い経験が不足していたことは明らかです。
歴史的に、エンジニアやプランナーがポートフォリオ全体の流域でより多くのデータを収集するにつれて、同社の慣習にとらわれない掘削パフォーマンスは短期間で向上しました。
ということで、要は、ウォール・ストリート・ジャーナルの指摘は誤りであり、パーミアンの資産は正しい開発計画に基づき正確に評価している、と真っ向から反論した。
さらにSECから情報を求められた場合は資産評価の適切な根拠を提供するとしている。
エクソン・モービルに限らず、エネルギー銘柄は新型コロナ流行に端を発した原油価格の下落により赤字に転落。
各社設備投資や経費削減、さらには人員削減を発表・実施しなんとかしのいでいる状況。
その中でも最も苦しい状況なのが減配の可能性を度々指摘されているエクソン・モービルと言ってよいでしょう。
ただここ最近、原油価格の上昇に伴い株価は上昇基調に転じていた。
それが今回の報道である意味水を差される形となった。
この先この問題がどんな展開となるかはわかりません。
最悪の場合、内部告発者の主張が正しかった、と判断される可能性もある。
ただ投資家が気にすべきもの、それは今回のような報道ではなくあくまで原油価格の動向。
そんな風に考えています。
(次回決算発表で減配の可能性がある銘柄への投資にあたってはくれぐれも自己責任でお願いいたします。)
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