銘柄研究

【銘柄紹介(2021年版)】ファイザー(PFE)

以前から保有銘柄を中心に売上等直近の業績の紹介をして来ましたが、2021年度決算も終了していますので、自身の備忘録の意味も含め2021年版としてアップデートすることにしました。

今回はヘルスケア関連銘柄のファイザー(PFE)を取り上げたいと思います。

【会社概要】

ファイザーは米国大手医薬品メーカー。

循環器系、中枢神経系、鎮痛・抗炎症系、筋骨格系、感染症、泌尿器系、眼科系、ガン、内分泌系、ワクチンの薬剤を開発、製造、販売する。

主要製品は「セレブレックス」、「チャンテックス」、「リピトール」、「リリカ」、「バイアグラ」など。

新型コロナウイルス感染症ワクチン・治療薬を開発。本社所在地はニューヨーク。

(出典元:YAHOOファイナンス)

ファイザーと言えば昔はバイアグラ(?)、今は何と言っても新型コロナワクチンと治療薬。

業績への影響が急激に大きくなっています。

まず直近5年間の売上の推移ですが、直近2021年では新型コロナワクチン製品が大きく寄与し、前期比で約2倍の売上となっています。

続いては1株利益(潜在株式調整後)。

特殊要因の影響によりでこぼこ状態。

但し会社の収益力を知る上でより重要なのは真の稼ぐ力を表す営業キャッシュフロー、そしてそのマージンの推移。

御覧のとおり営業キャッシュフローマージンは2019年までは右肩下がりでしたが、直近2021年では新型コロナワクチンの売上急増によって営業キャッシュフローが大幅に増加、その結果マージンは40%を超えているのが見て取れます。

そして有利子負債残高と財務の安定性を示す有利負債営業キャッシュフロー倍率ですが、米バイオ医薬品企業のアレイバイオ ファーマを日本円換算で1兆円を超える金額で買収した2019年には有利子負債営業キャッシュフロー倍率が一時的に上昇(悪化)しましたが、ワクチン効果による営業キャッシュフローの増加で2021年では1倍ちょっとにまで急低下(良化)しています。

有利子負債営業キャッシュフロー倍率とは、簡単に言えば今ある借金を毎年の稼ぐ力で何年で返済できるか?という数字(年数)であり、数字が少なければ少ないほど返済能力が高い、つまり財務的に安定しているということになります。

<計算式>

有利子負債営業キャッシュフロー倍率=有利子負債÷営業キャッシュフロー

最後にインカムゲイン投資家注目の1株配当と増配率。

残念ながらファイザーは同業のワイスの大型買収により2009年に50%もの大減配を実施したこともあり、配当貴族銘柄とはなっていません。

増配率は2020年まではじわじわと右肩下がりになっていましたが、直近2021年ではそれまでの年間0.08ドルの増配から新型コロナワクチン特需で大幅な増収・増益を謳歌していたにもかかわらず、半減の1株当たり0.04ドルの増配を実施。

インカムゲイン投資家を失望させました。

尚、参考までに過去1年間の株価の推移(青色)を市場平均(ダウ平均:赤色)と比較したチャートは以下のとおり。

御覧のとおりダウ平均を大きくアウトパフォームしている状況となっています。

以上見てきましたが、インカムゲイン投資家として注意しなければならないことは、この銘柄はすでに特許切れ医薬品事業を担うアップジョン事業をスピンオフし、現在は完全に新薬の開発を中心としたバイオ医薬品企業へと生まれ変わっていること。

つまり株主還元優先ではなく、成長最優先の企業になっている。

それが証拠に2021年12月に発表した増配は同じく四半期ベースで0.01ドル、つまり年間0.04ドルの超渋ちん増配だった。

となるとインカムゲイン投資家にとって投資妙味が薄れている企業になっていることは間違いない。

しかも新型コロナワクチンの売上が全体に占める割合が直近で約45%にも達しており、その依存度があまりにも高くなりすぎてしまった。

ということで、新型コロナの感染状況を見ながら、感染終息の前にこの銘柄を手放すことも考えています。

(本データを妄信しての投資にあたってはくれぐれも自己責任でお願いいたします。)

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