コラム

【速報】FRB、ボルガ―・ルールの一部緩和発表で株価上昇も銀行株に手を出さない理由

現地時間の6月25日、米金融当局が2008年の金融危機後に導入した金融規制の一部緩和を発表したことを受けて、収益拡大期待が高まったJPモルガン・チェースなど金融株が軒並み上昇した、と日経新聞が報じました。

その詳細ですが、米連邦預金保険公社(FDIC)、通貨監督庁(OCC)と米連邦準備理事会(FRB)は25日、金融機関に高リスクの自己勘定取引を禁じた「ボルカー・ルール」などの一部緩和を発表。

これにより金融機関は手元資金を増やし、一部ファンドとの取引を拡大できるようになります。

FDICとOCCはまた、金融機関が関連会社とデリバティブ取引を行う際に証拠金を確保する要件を撤廃しています。

これに関連してブルームバーグは、スワップ取引を巡る証拠金要件の撤廃により、ウォール街の金融機関は手元資金が推定400億ドル(約4兆3000億円)増える可能性がある、と伝えています。

ボルガー・ルールとは

2010年に米国で成立した金融規制改革法(ドット・フランク法)で定められた銀行の取引規制。

銀行に対する規制を訴えた元米連邦準備制度理事会(FRB)議長のボルカーの名を冠しています。

08年9月に発生したリーマン・ショックなど金融危機の教訓を踏まえ、銀行が過度のリスクを取って金融取引をすることを制限しています。

(大和証券HPより)

つまり簡単に言えば金融機関がより高いリスクを取って商売をすることを認めた。

というわけです。

もちろん高リターンには高リスク。

金融機関によって収益に差が出るわけですが、新型コロナウィルス大流行の状況下未曾有の金融緩和で超低金利の現在、収益拡大の機会が増えたことは確か。

そうでなくてもウェルズ・ファーゴを筆頭に、インカムゲイン投資家として現在の銀行株は魅力的に映る。

しかし当方、これまでどおり銀行株に手を出すことはしないつもりです。

その理由が減配の可能性。

奇しくもボルガ-・ルールの一部緩和発表と同日、FRBは、米銀行大手の資本計画を判定する健全性審査(ストレステスト)の結果を公表。

経済の不透明感が高まる中でも抵抗力を維持するため、米銀行大手に2020年7~9月期の自社株買い停止と配当の制限を求めたのです。

実は当方、リーマンショック時銀行株(シテイ・グループ)では非常ーーーに痛い目にあっておりまして、いまだその時の苦い記憶を忘れていないわけですが、それはそれとして、インカムゲイン投資家として、

「やはり今は銀行株に手は出せない。」

という思いを新たにしたのでした。

(FRBの意向が強く働く銘柄への投資にあたってはくれぐれも自己責任でお願いいたします。)

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POSTED COMMENT

  1. ひろー より:

    こんばんは。
    この中の銀行株をどれか買わないといけないのであれば、僕はJPM(JPMorgan & Chase Co.)を買いますね。
    なんだかんだで一番売り上げも手数料収入も伸びていますしね。
    (あと何気にリーマンショックの渦中を体験しているCEO[James “Jamie” Dimon]の存在もあります)

    とは言え、FRBもECBに倣い、米銀に配当の制限と自社株買いの禁止を9月まで命令する
    https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2020-06-25/QCI0ZLT0AFB401
    とのことなので、現時点では銀行株にはそんなに魅力はないですね。

    • naobito より:

      ひろーさん
      どうしても、というならやはりJPモルガンでしょうかね~。
      ただ業種柄連続増配というわけにいかないので、パスかな。

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