以前フィリップ・モリス・インターナショナル(PM)の加熱式たばこアイコス(IQOS)が米食品医薬品局(FDA)から”改良されたリスクタバコ製品(MRTP)”として販売することを認可されたことをお伝えしましたが、今回はそのフィリップ・モリスの2019年
年次報告書(Form10-K)を確認してみました。
ホルダーの方であればご存じのとおり、この銘柄は米国での販売はアルトリア(MO)にまかせ、米国以外の地域での販売に従事しており、加熱式たばこアイコス(IQOS)もすでに販売を開始しています。
まずこちらが2016年以降の売上と成長率の推移となります。
意外と言っては失礼ですが、2017年以降成長率はブラス、つまり売上が増加している状況が見て取れます。
また稼ぐ力を表す営業キャッシュフロー、そして営業キャッシュフローマージンも税制改正の恩恵があったとは言え、順調に増加している状況。
但しこれを製品別に見ると興味深い状況が明らかに。
こちらは紙巻きたばこと加熱式たばこ(開示上はリスク低減製品(RRP))の売上の推移となりますが、やはりいまだ主力の紙巻きたばこはじり貧状態であることがわかります。
一方、加熱式たばこの方は成長率にでこぼこはあるものの、大幅に増加している状況となっています。
そして加熱式たばこが全体に占める割合も売上全体が増加する中で順調に増加しています。
たらればは禁物ですが、もし加熱式たばこがなかったら、フィリップ・モリスはまさに典型的な斜陽産業の決算を出し続けていたのではないでしょうか。
続いてこちらは地域別・製品別の売上の推移となります。
これを見ると全体では減少を続ける紙巻きたばこですが、意外や意外、South & Southeast Asia(南&東南アジア)地域では数量はともかく売上金額を伸ばしていること、そして(そのような状況もあり?)加熱式たばこを投入していないこと。
一方紙巻きたばこが減少を続ける地域、特に(East Asia & Australiaに属する)日本や欧州を始め健康問題に対する意識が高い先進国等では積極的に加熱式たばこを投入している状況等がわかり興味深いデータとなっています。
加熱式たばこの先輩であるフィリップ・モリスのこれら状況を見ると今回のFDAによる発表はアルトリアの将来の大きな助けとなってくれると考えているのですが、楽観的過ぎるでしょうか?
以上、ご参考まで。
(順調な製品の未来を過度に期待しての投資にあたってはくれぐれも自己責任でお願いいたします。)
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