高成長が代名詞のITセクターに属しながら右肩下がりの売上や増配率等、長らく低迷状態にあるIBMですが、現地時間の11月25日、ブルームバーグが関係者による匿名を条件にした情報として「欧州で約1万人を削減する計画である。」と伝えました。
この件に関しIBMの広報担当者は電子メールで「人員に関する決定は、オープンなハイブリッドクラウドプラットフォームとAI能力を導入する上で、顧客に最善のサポートを提供することが目的だ。」との(ある意味玉虫色的な)回答をしたとのこと。
IBMと言えば今年10月データセンターの技術サポートなどアウトソーシングサービスを提供するインフラストラクチャーサービス部門を2021年末までに分離する、と発表しています。
もちろんその目的は特にクラウドとAIへの傾注。
そして今回の削減対象ですが、従来型の顧客サポートを行うITサービス事業が削減の中心となるとのこと。
つまり分離される事業のリストラを実施するということ。
ちなみに分離される新会社も上場は維持される。
但し、現状分離されるマネージド・インフラストラクチャー・サービス部門が属するグローバル・テクノロジー・サービス部門のマージンは以下のとおり売上こそ多いが非常に低い状況となっています。
そしてコロナの影響があるとは言え、5%を超えるマイナス成長となっている。
ということで、コスト削減のための今回のリストラは極めて妥当な選択と言えますし投資家にとってはウェルカム。
しかしぬか喜びしてはいけない。
なぜなら今後の成長を担うのはあくまでクラウドとAI部門を中心に生まれ変わる新IBMの方だから。
分離後この両社がどのような配当政策を打ち出すかは現時点では定かではない。
ただたとえリストラしようと低成長のサービス事業主体の新会社に期待するのは無理があるというもの。
当方としては場合によっては分離後即行で新会社を売却することも視野に入れている。
スピンオフは来年2021年年末までに完了する予定。
何はともあれ今後もこの銘柄の決算等をしっかりとモニターしていきたいと考えています。
(オオカミ少年的(クソ)銘柄への投資にあたってはくれぐれも自己責任でお願いいたします。)
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こんばんは。
IBMの事業に関しては今流行りのAI・クラウドと旧来のビジネスのコンサルティングなどが並列している状態ですね。
確かにこの状態だとコングロマリット・ディスカウントが働いていて事業全体の評価をしにくい状態が続いていそうです。
(そういえば、日本株にもオリックスというやつがいましたね)
特定口座で米株を嗜んでいる身からすると、スピンオフは一般口座に払い出しになってしまうので面倒なんですよね。。。
ひろーさん
こんばんは。
今回のスピンオフでかなりすっきりとはするもののやはりここはさらにすっきりとクラウドとAI事業のみの企業に生まれ変わってほしいと思っています。
ファイザーのアップジョン事業スピンオフで今回ヴィアトリスが誕生しましたが当方即行で売却しました。
恐らくIBMも同じパターンになりそうです。