コラム

バイデン氏優勢 で米国株投資家が戦々恐々としている理由

11月3日のアメリカ大統領選挙まで5ヶ月を切り、現地時間の6月20日トランプ大統領が3ヶ月ぶりに選挙集会を開きました。

ただ、1万9000人収容のアリーナは空席が目立ち、支持者の熱気を見せつける思惑は完全に外れた形となりました。

選挙はふたを開けてみなければわからない、とは言え新型コロナウィルスの感染拡大と人種差別抗議デモに対する強硬姿勢でトランプ氏の劣勢が伝えられており、世論調査でバイデン氏に10ポイント近く差をつけられている、との報道もあります。

投票の鍵を握るのは何と言っても景気。

トランプ氏にとって最大の打撃は、史上最長の拡大を続けていた景気が今年に入りコロナで奈落の底に沈んだこと。

GDP成長率はマイナスとなり、さらに秋口にかけて第2波の懸念も現実味を帯びてきています。

もっともコロナの最大の責任は感染源の中国にある、との世論が多いことから、トランプ氏も中国批判を強めているわけですが、ここに来てミネアポリスでの警察官による黒人殺害事件が予想外の痛手となっていることは間違いありません。

このまま選挙日まで経済が上向くことなく人種差別抗議デモが収束を見せないようであれば、いよいよバイデン大統領誕生が現実味を帯びてくるわけです。

これが当方にとって非常にありがたくない、というかある意味恐ろしい。

バイデン氏と言えばオバマ政権時の副大統領であり、オバマ氏の後継者を自認する人物。

基本的にはオバマ時代の政策に戻る可能性が高いと言われています。

そのオバマ氏の政策をことごとく覆したのがトランプ大統領、ということでそれらを復元する方向に舵を切る可能性が高い。

中でも当方が注目しているのが環境・エネルギー政策。

トランプ大統領は地球温暖化対策の国際的枠組みであるパリ協定からの離脱を表明(2020年11月に離脱予定)したわけですが、これを以前の状態に戻す、つまり再参加する可能性が高い。

トランプ氏は「気候変動対策よりも産業重視の姿勢」を鮮明にし、オバマ政権が認めなかった原油パイプラインの建設計画を推進するなどして来ました。

これに対してバイデン氏は「クリーンエネルギー革命」を標榜し、再生可能エネルギーへの投資拡大により温室効果ガス排出量を2050年までに実質ゼロにする、と公約しています。

そしてこれに関連して化石燃料への補助金撤廃を明言しているのです。

そう、環境・エネルギー政策は原油等の化石燃料から再生可能エネルギーへと大きく転換される。

となればエクソン・モービル(XOM)やシェブロン(CVX)への打撃となることは明らか。

なぜならこれら企業はロイヤル・ダッチシェル(RDSB)を始めとする欧州企業よりも化石燃料への依存度が高く、クリーンエネルギーへの転換という意味で大きく遅れを取っているから。

政権の政策転換によってこれら米国企業の業績(利益)に逆風となる可能性が高い。

そして影響はエネルギー企業だけにとどまりません。

実はバイデンはトランプ減税の撤回も方針の一つとしてあげている。

そう、トランプ政権が2018年に実施した連邦法人税率をそれまでの35%から21%へと引き下げた政策を撤回、つまり増税しようとしている。

これにより例えばアルトリア(MO)等、特に米国での事業割合が高い企業ほど大きな影響を受ける、というわけです。

ということで、「今回の選挙でバイデン勝利、となれば最悪銘柄の入れ替えを検討せねば。」

と準備し始めている中年投資家なのでした。

(政権交代したから、という理由のみでの銘柄変更の実施にあたってはくれぐれも自己責任でお願いいたします。)

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