銘柄研究

ジョンソン・エンド・ジョンソンが消費者向け事業をスピンオフ、もしばらく静観でOKの理由

少々前のニュースとなりますが、ヘルスケア大手のジョンソン・エンド・ジョンソンが現地時間の11月12日に、消費者向け(コンシューマーヘルス)事業のスピンオフを発表しました。

スピンオフされる新会社も上場される予定であり、リリース文書には、

「分社化は、経営上の成果や戦略的柔軟性を拡大し、患者さんと消費者に利益をもたらし、すべてのステークホルダーにとっての価値を高めるために計画されました。」

と記されています。

ヘルスケア大手の分社化と言えば、ファイザーが後発薬(特許切れ医薬品)事業であるアップジョン事業をスピンオフし、同業のマイランと合併し新会社ヴィアトリスを設立したことが記憶に新しいところ。

しかしファイザーの場合、新ファイザーは新型コロナワクチン開発成功による売上・利益激増で絶好調、一方スピンオフされたヴィアトリスの株価はさえない状況となっています。

スピンオフの取引条件はこれから決定されるわけですが、いずれにしてもジョンソン・エンド・ジョンソンのホルダーは新会社の株式を保有することになる。

ではこの新会社の株をそのままホールドすべきか?あるいは即行で売却すべきか?

ということでまず確認したのがこちら。

こちらは直近第3四半期の事業別の売上と調整後税前利益の数字ですが、やはりメイン事業である処方薬は43.8%と高い利益率となっている。

ただ、今回スピンオフされる消費者向け事業は売上規模こそ小さいものの、税前利益率は24.3%と決して低くない。

また、今回のリリース文書には以下の記載がある。

「取引完了後も全体の株主配当は、少なくとも同程度を維持することが予想されます。」

つまりスピンオフ後も両社の合計配当が減配される可能性は低い。

さらに言えばスピンオフ完了は、18ヶ月から24ヶ月後の見込みであり、まだまだ時間はある。

ということで、

焦る必要なし。

しばらく静観で問題ないと考えているところです。

但し頭に入れておかなければならないのはベビーパウダー訴訟の行方。

仮に賠償費用が巨額となった場合、費用負担は新ジョンソン・エンド・ジョンソンと新会社のどちらに行くのか?

には注目する必要があるでしょう。

(スピンオフを予定している銘柄への投資にあたってはくれぐれも自己責任でお願いいたします。)

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