ファストフードチェーン世界最大手のマクドナルド(MCD)が今回のコロナウイルスの世界的大流行を受けて4月8日、事業の最新の状況に関するプレスリリースを行いました。
もちろん注目は、コロナウイルスが決算にどの程度の影響を及ぼすのか?
その概要は以下のとおり。
・コロナウイルスは我々のビジネス、具体的には売上に深刻な影響を与えている。
・1-2月の世界全体の既存店売上は前年同期比で7.2%の増加だったのに対して、3月は22.2%の減少となった。(米国だけで見ると約13%の減少)
・この結果第1四半期の売上は前年同期比で3.4%の減少。
・4月8日時点の店舗の稼働状況は全世界では75%、米国だけで見ると99%となっている。
・米国ではすべての店舗がドライブスルー、デリバリー、テイクアウトは行っており、店舗を閉鎖しているのはモール等の限られたエリアのみである。
・中国では98%、日本ではすべての店舗が稼働している。
・設備投資については、新規店舗の減少等で今年度10億ドルの削減を予定している。
・財務の流動性を保つためすでに自己株買いを中止した。
・第1四半期に65億ドルの資金調達を実施している。
・新型コロナウイルスの流行による世界経済の不確実性のため、2月26日に公表した今期及び長期の業績予想を撤回する。
ということで、中国以外でコロナウイルスが本格的に流行した3月単月の売上は22%の減少、米国では13%でしたがヨーロッパを含むインターナショナル・マーケットでは35%もの減少を記録しています。
ただ実は当方、この銘柄の場合売上の減少以上に気になっている存在がありまして。
それがフランチャイズ店の存在。
あるアナリストのレポートによれば、マクドナルドのフランチャイズ契約は業界では異色。
どういうことかというと、マクドナルド自身がフランチャイズレストランの土地と建物を所有、またはリースした上で各フランチャイズ店に提供している。
つまり貸与している。
そしてフランチャイズ収益に占める家賃収入の割合が非常に大きい。
実際2019年には賃料の支払いは、フランチャイズ店からのマクドナルドの総収益の約64%を占めているのです。
それが今回のコロナウイルスの大流行によって、家賃が支払えないフランチャイズ店が続出している。つまりマクドナルドはこの重要な収入を失っているのです。
一方ライバル企業の場合、売上の激減による影響はもちろんありますが、家賃支払いを直接肩代わりする必要はない。
ということで、マクドナルドに投資している、あるいはこれから投資しようと考えている投資家はこのリスクは頭に入れておく必要がある、と思っています。
何はともあれ4月30日に予定されている第1四半期決算に注目です。
(フランチャイズ店からの家賃収入が大きい銘柄への投資にあたってはくれぐれも自己責任でお願いいたします。)
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