現地時間の3月6日、アルトリア(MO)が電子たばこ新興企業NJOYを約27億5000万ドルの現金で買収することを発表しました。
(尚、これとは別に当局の規制上のマイルストーン達成に基づく5億ドルの追加支払いの契約があります。)
今回の買収に関してはすでにウォールストリート ジャーナル紙が報道していたわけですが、買収によりアルトリアはNJOYのすべての電子たばこ製品を販売できることになります。
その電子たばこ市場ですが、規模としては米国で最大の無煙たばこ市場であり、約1400万人の成人たばこ消費者を数えます。
また金額的には2022年では約70億ドルの売上規模となっています。
CEOのビリー・ギッフォードは声明で、「我々の商業的リソースの強みが成人タバコ消費者に利益をもたらし、競争を拡大できると信じています」と述べていますが、アルトリアは過去電子たばこで手痛い失敗をしている。
もちろんそれは同業であるジュール・ラブズの買収。
128億ドルもの資(大)金をつぎ込みながら連邦規制当局との紛争と未成年者をターゲットにしたとする訴訟に巻き込まれ、破産申請寸前まで追い込まれています。
そのジュール・ラブズについては株式を知的財産権と交換する、としていますが、業績に貢献できないことは明らか。
ということで再び同じ轍を踏むことになるのでは?という心配が。
ただ当方、NJOYは少なくともジュールよりはまともな企業だと考えています。
その理由ですが、現在市場に出回っている電子たばこ製品の大半は、アメリカ食品医薬品局(FDA)から販売許可を受けていませんが(但しその製品が市販前のタバコ製品申請中である限り、FDAのその執行裁量にしたがって市場で販売することを許可している。)、NJOYは6つの製品についてすでに販売許可を得ています。
つまり現時点では政府から正式にお墨付きを得た製品を販売している唯一の企業、ということになる。
但し、今回の買収が即効性があるというわけではない。
その理由は、今回の発表においてアルトリアは以下今期2023年通期予想を変更しなかったこと、
さらに買収完了後2年以内にキャッシュフローを増加させ、完了後3年以内に調整後一株利益を増加させると予想していることからも明らか。
もちろん今回の買収は今後確実視される紙巻きたばこの販売減少を加熱式たばことともに補う存在となることは明らか。
ということで、長い目で見て行きたいと考えているところです。
(いずれにしても健康被害が避けて通れない製品を販売している企業への投資にあたってはくれぐれも自己責任でお願いいたします。)
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