たばこ銘柄のアルトリア グループ(MO)が現地時間の10月26日に第3四半期決算を発表しました。
概要は以下のとおり。
まず売上ですが、前年同期比で4.1%の減収。
これをたばこ製品別で見ると、以下のとおりメイン事業の紙巻きたばこが数量ベースの減少(前年同期比11.4%減)を値上げでカバーしきれず金額ベースでは5.3%の減収、一方無煙(Oral)たばこは数量ベースで3.3%減少したものの、値上げで補い金額ベースでは2.2%の増収となった状況が見て取れます。
次に1株利益ですが、会計基準ベースでは前年同期の0.12ドルに対し1.22ドルと大幅な増益となっていますがこれは主に前年同期においてビール大手アンハイザー・ブッシュ・インベブ(ABI)社への投資に対する減損損失計上と、保有していた電子たばこJUULへの投資に関連する費用計上等の特殊要因によるものであり、特殊要因を除いた1株利益は1.28ドルと前年同期と同額となっています。
そしてアナリスト予想との比較ですが、以下のとおり売上、調整後1株利益ともに予想を下回っています。
最後に注目の今期2023年通期予想ですが、調整後1株利益で4.91ドルから4.98ドルと2022年の4.84ドルの実績に対して1.5%から3%の増益としており、前回の公表値に対し下限値を引き上げた一方上限値を引き下げています。
以上、(調整後)利益こそ前年同期並みとなったものの、売上を大きく落としたこと、さらには売上、利益ともにアナリスト予想に届かなかったことから発表当日の株価は前日比8.3%もの大暴落となりました。
ただ当方この銘柄を売却するつもりはありません。
その理由ですが、まず第3四半期においても自社株買いを継続しており、今後も残り2億6,800万ドル分を12月31日までに完了することを発表したこと。
そして今年3月に設定した”年間1桁台半ばの配当成長”という目標を今回も明記したこと。
さらに長期的視点で見ると、現在の紙巻きたばこにおんぶにだっこの状況を打開するため、昨年10月にJT(日本たばこ産業)との米国内外での加熱式たばこデバイスの開発・販売で戦略的パートナーシップ、つまり提携を発表。
さらに今年電子たばこ大手NJOY Holdingsの買収実施と手は打っている。
ということで、売上×、利益×、通期予想△ 株価大暴落でもホールド
です。
(いまだ紙巻きたばこに大きく依存する銘柄への投資にあたってはくれぐれも自己責任でお願いいたします。)
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トランスクリプトが出ていましたがFDA(その他)がアルトリアの電子タバコ販売を邪魔しすぎたせいで違法な使い捨て電子タバコがまん延してしまい、FDAが取締をしていないとされています。
それを補うために値上げを連続した結果とされているようです。
これからどうなるんでしょうか。
何れにせよ株主還元の方針は変わらないようですが。
通りすがりさん
こんにちは。
その件については10/19にNJOYが違法に販売している電子たばこ製品の国内外メーカーや販売業者34社を相手取って訴訟を起こした、と報じられていますね。
NJOYは、これらの製品の輸入と販売の全国的な差し止めを求めており、この訴訟はFDAの行動を促すためのものであると述べているようです。
ホルダーとしてはこの訴訟についても要チェックですね。