現地時間の4月2日の株式市場はサウジアラビアとロシアが石油の大幅減産で合意しそうだ、とのトランプ大統領の発言により原油価格が大幅に上昇したこともあり、ダウが469.93ドル(2.2%)、S&P500が2.3%の上昇となりました。
そんな中、蚊帳の外だったのがたばこ銘柄のアルトリア(MO)。
株価は前日比で3.7%もの下落となりました。
その理由ですが、連邦取引委員会(FTC)が1日、アルトリアによる電子たばこメーカー、ジュール・ラブズ出資の解消を求める審判手続きを開始したと発表した(by ブルームバーグ)から。
FTC競争局のイアン・コナー局長は声明で、「アルトリアとジュールは競争をなくし、ジュールの利益を共有することで、競争相手から協力者に転じた」とコメント。
両社は競合関係にあり、資本提携は競争を損なうと主張しているとのこと。
これに対しアルトリアの法務担当幹部マリー・ガーニック氏は「ジュール出資が競争を阻害することはないし、我々はFTCが事実を誤解していると考えている」とコメントしています。
審判は2021年1月5日に始まりますが、結論が出るにはかなりの時間がかかると予想されています。
それにしてもアルトリアのジュールに対する出資は完全に失敗だったと言わざるを得ません。
以前も書きましたが、アルトリアはジュールの株式の35%を取得。
その投資額は128億ドル、現在の為替レート換算で約1兆3700億円と巨額。
投資後は相次ぐ訴訟や何より政府の規制強化によって、ジュールの業績は大幅に悪化。
その結果アルトリアは2度に渡る減損を余儀なくされ、今年1月にはその評価額を約3分の1の42億ドルにまで引き下げています。
但し、今回のFTCの動きがアルトリアの業績に影響を与えるか、と言えばそれはないでしょう。
仮に審判の結果アルトリアが出資の解消を余儀なくされ、株式を売却するにせよすでに3分の1にまで減損している上に、今後更なる減損の可能性もあるわけで、売却によるインパクトはそれほど大きくない。
ましてやジュールを保有し続けることで業績に期待が持てるかと言えば、それもない。
むしろ赤字垂れ流しでお荷物になり続ける可能性の方が大きいのでは?
そもそもアルトリアは売上数量こそ減少を続けているものの、主力の紙巻きたばこ、特に市場の43%のシェアを占めるマルボロ等で高い利益を上げている。
ということで、今回のニュースによる株価下落は一時的なもの、と考えています。
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