銘柄研究

【速報】ファイザー、新型コロナワクチン治験で好結果で株価上昇! も無視すべき理由

新薬開発(バイオファーマ)企業への生まれ変わりを目指すヘルスケア大手のファイザー(PFE)が現地時間の7月1日、新型コロナウィルスワクチンに関する最新状況を公表しました。

現在ファイザーはドイツの製薬ベンチャー、ビオンテック社とワクチンの共同開発を進めているわけですが、ビオンテック社によれば、健康な大人45人を接種回数と投与量別に分けて治験を実施、そのうち24人の健康な被験者を対象に2種類の用量の試験を実施した結果、28日後に感染者に通常みられる水準を超える抗体が確認されたとのこと。

これはワクチンが免疫活動をもたらし、強い免疫反応を引き起こすことが証明されたことを意味します。

今後両社は少なくとも4種を投与量を変えて評価し、最も有望な組み合わせを選んだ後、早ければ今月中にも最大3万人の協力を得て第2相治験を実施する可能性がある、としています。

この報道を受けて現地時間の7月1日のファイザーの株価は上昇。

終値は約3%ほど上昇して終えています。

ただ今回の報道を受けての株価上昇は無視すべき、と考えています。

もちろん歓迎すべきニュースであることは確かですが、今回はあくまで第1相臨床試験(治験)で安全性が確認されたにすぎません。

ワクチンの量産化までには長い道のりがあります。

多くの臨床試験を進めて行く必要があることはもちろんのこと、それと並行してワクチンを量産する、大量に生産する技術と能力がなければならないわけですが、これが非常に難しいと言われています。

そんな中今回報道されたファイザーとビオンテックの場合は、第1相治験での成功に過ぎません。

これから第2相、さらには第3相治験が待ち受けているわけです。

そして第3相治験においてはワクチンの効果があるかどうかを知るために、ウィルスが猛威を振るっている地域で、健康なボランティアの人達に実際にワクチンを投与する必要があるわけで、ある意味非常にリスクが高いとも言われています。

ということで、今回の成功は登山で言えばまだ一合目付近に到達したに過ぎない。

長期投資家としては、新型ワクチン開発の情報に一喜一憂することなく、ファイザー全体のパイプライン動向を確認しながらこれまでどおり四半期での業績、特に利益をチェックしていく必要があると考えています。

(ポジティブな報道を妄信しての投資にあたってはくれぐれも自己責任でお願いいたします。)

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