PERしかり、配当利回りしかり、インカムゲイン投資家にとって株式を購入する際の重要な指標はいろいろあるわけですが、当方が重視しているのが営業キャッシュフローマージン。
営業キャッシュフローマージンとは
企業がどれほど効率的にキャッシュを稼いだかを示す指標であり、営業活動の結果として売上がどのくらいの営業キャッシュフローを生み出したかを表している。
計算式は、営業キャッシュフロー÷売上高で表される。
PL(損益計算書)上の利益はお化粧が可能だが、営業キャッシュフローは資金の入出金であり、会計基準・会計方針等の影響を受けないいわばごまかしのきかない数字である。
同業他社を比較する際にも有用である。
ということで昨年に引き続き年1回恒例の(って誰も覚えてないか)同業での比較、それも日米対決を行ってみたいと思います。
選定銘柄はこちら。
・プロクター&ギャンブル(PG)
・花王(4452)
どちらの銘柄ももはや説明の必要はないでしょう。
この両社と言えば、言わずもがな、一般消費財メーカーとしてそれぞれの国を代表する優良企業と言う共通点があるばかりか、連続増配銘柄であること。
P&Gは68年連続、そして花王は日本企業の中ではナンバーワンの35期連続増配を継続中、とどちらも配当貴族銘柄となっています。
(但しP&Gは50年超えですから配当貴族を超える配当王銘柄と言った方がいいのかもしれませんが。)
尚、比較対象期間は直近2020年から2024年までの5年間とします。(※但し花王は12月決算、P&Gは6月決算、尚花王の数字は決算短信の数字で計算)
その結果がこちら。
ご覧のとおり、P&Gは毎年20%以上となっており2022年、2023年と数字を落としていましたが、直近2024年では23.6%と3%以上増加。
一方の花王は毎年20%に届かないばかりか2024年は12.4%とP&Gの約半分の水準となっており、その差は歴然。
と言わざるを得ません。
もちろん花王の数字が低いなどと言うつもりは毛頭ありません。
但しそれはあくまで日本国内での話。
例えば国内でライバルと言えば事業規模は別にしてライオンですが、2022年以外は花王の後塵を拝している状況。

つまりいわゆる真の稼ぐ力においてはP&Gとはまだまだ差がある。
ちなみに同期間の増配率の推移は以下のとおり。

御覧のとおり2021年以降花王は増配率を大きく落としており、P&Gのそれを大きく下回っている状況。
現在(3月28日終値)の予想配当利回りはP&Gの2.4%に対し花王は2.3%とほぼ互角、また予想PERはP&Gの25.3倍に対し花王は26.5倍と若干ですが花王が割高の状況。
もちろん花王が優良銘柄であることは疑いのない事実。
ではありますが、
真の稼ぐ力を表す数字には大きな差があることは株式投資家として抑えておく必要があるのでは?
そんな風に考えています。
以上、ご参考まで。
(米国連続増配銘柄への盲信的投資にあたってはくれぐれも自己責任でお願いいたします。)
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為替を抜きにすると大抵の日本企業よりもアメリカでよくなりますよね
日本マクドナルドよりもMCD
花王よりもP&G
みたいに
メロリンさん
こんにちは。
仕事のできない人間を多く抱えている上に高い給料を支払っていることも大きいかと。
日本企業の生産性の低さの表れでもあります。
日本で働き、アメリカに投資する
最高の生き方