ロイヤル・ダッチ・シェルが6月30日、2020年第2四半期決算で最大220億ドル(約2兆3800億円)の減損損失を計上すると発表しました。
減損(処理)とは
資産の収益性が低下して投資額の回収が見込めなくなった場合、当該資産の帳簿価額にその価値の下落を反映させる手続きをいう。
減損損失の認識を行うと判定された資産又は資産グループについて、その帳簿価額を回収可能価額まで減額する。
帳簿価額と回収可能価額との差額を当期の損失(減損損失)として処理する。
(ウィキペディアより抜粋)
巨額減損計上の理由はもちろん新型コロナウィルスによる原油や天然ガスの価格の暴落&低迷。
原油(ガス)価格の下落⇒販売価格の下落により、今後収益が大幅に低下することが見込まれたため、会計基準に従い保有資産の評価額を引き下げる必要が生じた、というわけです。
これにより、税引き前損益には最大270億ドルもの影響(もちろんマイナスの)が出る見通し、としています。
ロイヤル・ダッチ・シェルと言えば4月末に歴史に残る66%大減配を発表したばかり。
ここでさらに2兆円を超える大損失を計上することになったわけで、まさに泣きっ面に蜂の踏んだり蹴ったり状態。
「となればこれはすぐにでも見切りをつけて売却が正解か。」
ということですが、ことはそう単純ではないでしょう。
まず今回の減損ですが、確かに金額は2兆円超と巨額ですがこれはあくまで会計上の処理、帳簿上だけの問題。
つまり実際のキャッシュ、キャッシュフローには何の影響も及ぼさない。
そして減損を計上する必要に迫られているのはこの銘柄だけではない。
BPは一足先の6月15日に最大1.9兆円の減損損失計上の見通しを発表している。
さらにエクソン・モービルやシェブロンとて、現時点でこそ減損の発表はしていないもののその可能は非常に高いでしょう。
そう、エネルギー大手に投資している限り状況は似たようなもの、ということ。
大減配を実施したにもかかわらず見限ることなくこの銘柄を保有していたのなら、
そして、
現在最も悲惨なエネルギーセクターに今後もあえて足を突っ込み続ける覚悟でいるなら、
今回の発表だけで右往左往する必要はない。
そう思っています。
(いまだ光が見えないセクターへの投資にあたってはくれぐれも自己責任でお願いいたします。)
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