たばこ銘柄のアルトリアと言えば言わずと知れた超高配当利回り銘柄。
毎月報告している「次は何を買おうか」リストの不動かつ断トツ1位。
しかも9月16日現在の利回りは8.9%となんと9%近くにまで達している。
業績が悪く減配が予定されている銘柄ならいざ知らず、アルトリアは増配を続けている。
ということは配当に比べ株価が安すぎる。つまりに人気がない。
なぜここまで人気がないのか?
もちろんその理由は、将来性。
たばこ市場が縮小していくのは既定路線であり、ある意味宿命。
いずれにせよ健康被害から逃れられないたばこ銘柄に将来はない。
しかもアルトリアの場合巨額の資金をつぎ込み買収した電子たばこのジュールで大失敗。
さらに将来を期待される加熱式たばこの販売が現在できていないわけで、ある意味泣きっ面にハチ状態にある。
しかも無煙たばこでは兄弟会社のフィリップ・モリスが買収により米国市場の参入がほぼ決まっており、将来競合となるおまけ付き。
三重苦どころか四重苦状態。
ただ、それにしても、、、、
ということで、今回あらためてこの銘柄の過去の売上推移を再確認してみることにしました。
それがこちら。
こちらは2009年以降前年2021年までのセグメント別の売り上げをグラフ化したものです。
アルトリアの場合、紙巻きたばこ、無煙たばこ、そしてワインの販売等を行っているわけですがワイン事業はすでに撤退済み。
今回はメインの紙巻きたばこ事業と無煙たばこ事業のみを対象としました。
これを見ると意外な事実が。
そう、成長率こそ低いものの、なんと売上はほぼ順調に右肩上がりの状況となっているではありませんか。
もちろん特にメインの紙巻きたばこの場合、数量は増加していない。
それを値上げで何とか補っていた、というのが実情。
但し、たとえ値上げしても人々が購入を止めることはない、と言う事実を見逃してはならない。
と書くと、
「いやいや、そうは言ったて昔より人々の健康に対する意識は格段に高まっている。結局遅かれ早かれ、、、、」
という突込みが入りそう。
そこで登場するのがフィリップモリス(PM)。
アルトリアの兄弟会社、というか海外担当のフィリップモリス(PM)ですが、実はこちらは2011年以降2017年までは紙巻たばこの売上を減らしていた。
ところが、それが加熱式たばこの市場投入開始によってたばこ全体の売上減少に歯止めがかかって来た。
そしてアルトリアも来年にはアメリカ国内で加熱式たばこの販売開始が予定されている。
ということで、
あらためてこのグラフを眺めた時。
現在の9%近い配当利回りにある種の違和感を感じることだけは確かです。
(何やかや言っても、健康被害からは逃れられない銘柄への投資にあたってはくれぐれも自己責任でお願いいたします。)
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こんばんは。
> 現在の9%近い配当利回りにある種の違和感を感じることだけは確かです。
水を差すようで申し訳ないですが、僕自身はこの異常な配当利回りに異常性をあまり感じません。
年率9%弱に迫るインフレと、年率0.5%〜2%未満の売り上げ成長率であるならば、年率5〜7%の本質的な価値の毀損が発生しています。
この本質的な価値の毀損はこの秋以降に利益の減少をもって現れてくると思います。
とはいえ、グロース株も何もかも全て価値が下がっていく状況なので、僕自身は先物やオプションでショートやプットを駆使しつつヘッジをかけたり解消したりでちまちまと利益を得ている感じではあります。
(現物株は変なところで跳ね上がる感じなのでPFの優良株部分はフルポジです)
ひろーさん
おはようございます。
なるほど、そのような考えもありますね。
ただ国全体の物価上昇率と個々の企業のいわゆる原価の上昇率は必ずしも一致しません。
それが証拠に現時点でのアルトリアの今期予想利益は40年ぶりのインフレ下にもかかわらず前期比で+4%~+7%の増益となっています。
とは言え、今後株式市場全体はさらなる下落局面となることは確か。
しばらくは我慢の時期が続くということでしょうかね~。
これだけ配当率が高くそれも長く続くということはファンドが買わない(買えない)決定的な理由があるということですよね。
アルトリアはFDAに対する根回しが足りないと思います。
JTもPMも内部に政府関係者を取り入れているのにここは株式還元は熱心ですが、、、
ただ、JTは増税されそうになってますが。
通りすがりさん
アルトリアの株主上位はThe Vanguard Group、BlackRock Fund Advisors等のファンドで約6割を占めています。
政府関係者どころか政府(財務大臣)が約4割保有しているJTですら順風満帆に行っていないわけですから根回しにも限界があるのではないでしょうか。