たばこ銘柄のアルトリアと言えば、言わずと知れた高配当銘柄。
現在(8月18日時点)の配当利回りは7.1%となんと7%を超えています。
通常5%を超えれば十分高配当と言われる中、いくら高配当が魅力でも、これは行き過ぎでは?異常値では?
と考える投資家も多いのではないでしょうか?
配当利回りが異常に高い銘柄の場合考えられるのは、
業績悪化によって今後減配する可能性が高い。
というもの。
つまりすでに株価は減配を織り込んで(下がって)いる。
例えば現時点で年間7ドルの配当を出している銘柄の株価が現時点で100ドルなのは、将来5ドルにまで減配するであろうことをすでに織り込んだ株価となっているから。
ではアルトリアの場合は?
と言えば、直近第2四半期決算発表での今期通期予想は以下のとおり。
御覧のとおり調整後1株利益で前期実績に対して+4.5%~6.0%の増益を見込んでいる。
そしてこの銘柄の場合、その配当方針は極めて明確。
調整後1株利益の80%の配当性向を明記している。
現在のアルトリアの年間1株配当は3.44ドル。
これは昨年2020年の調整後1株利益である4.36ドルの約80%(79%)にあたる。
そして仮に今期予想どおり増益となれば、減配どころか増配が確定する。
よって今後減配する可能性が高いから株価が低い、という理屈は通らない。
ではなぜこんなにも高利回りなのか?
と言えば、それはひとえにこの銘柄の将来性。
現在のアルトリアのメイン製品である紙巻きたばこは常に健康被害と隣り合わせ。
極端な話、いずれこの世から消える製品であることは明らか。
そしていくらより健康被害の低い加熱式たばこの市場投入を開始し始めたとは言え、果たして新製品が日本や欧州のようにアメリカ国内で普及するのか?
投資家は疑心暗鬼、というか株価を見れば決して明るい未来を想像してはいない。
ただそれは今に始まったことではない。
遥か昔からもうたばこ産業は終わりだ、と言われ続けて来た。
それが現実はと言えば、この銘柄は少なくとも新型コロナの影響を受けた2020年を除けば、非(異)常に高い増配率を維持し続けて来た。
この銘柄は意外にしぶとい。
おそらく紙巻きたばこから加熱式たばこへの移行を経て生き延びるはず。
だからこの銘柄の場合、現在の配当利回りを異常値ととらえる必要はない。
そんな風に考えているのですが楽観的過ぎるでしょうか?
(健康被害と隣り合わせの運命にある銘柄への投資にあたってはくれぐれも自己責任でお願いいたします。)