これまでロシアのウクライナ侵攻が与える影響についてフィリップ モリス(PM)、マクドナルド(MCD)、そしてペプシコ(PEP)を取り上げたわけですが、今回取り上げるのはエネルギー大手のエクソン・モービル(XOM)。
ロシアのウクライナへの侵攻によって原油価格等が高騰しており、エネルギー銘柄にとって追い風となっているわけですが、プラスの面ばかりではない。
すでにBPやシェルはウクライナ侵攻を受けてロシア国営石油・ガス会社とのプロジェクト参加を打ち切る発表をしているわけですが、エクソンも現地時間の3月1日夜、公式発表を行いました。
その内容ですが、
・サハリン1LNG事業の操業を停止し、同事業からの撤退に向けた措置を講じている。
・現在の状況を考えるとエクソン・モービルはロシアでの新たな開発には投資しない。
というもの。
ロシアでの主要事業の一つが1995年から極東サハリン島で石油・ガスプロジェクトを運営している子会社であり、エクソンは30%の権益を保有している。
ということで、何はともあれ2021年の年次報告書を確認してみることに。
まず地域別の1日当たりの生産量。
こちらは2021年の原油の1日当たりの生産量となりますが、欧州の生産量は全体のわずか1%を占めるに過ぎない。
続いては天然ガス。
こちの方は9%と1割近いシェアとなっていますが、欧州の中でロシアが占める割合を確認することはできませんでした。
ということで、こちらを確認。
こちらは国別の売上となりますが、ロシアの名前が見当たらない。
但し金額の上位から順番に記載されていますので、ロシアは少なくともオーストラリアより下のはず。
となると全体に占める割合は3%以下か?
最後に開示されていた以下のデータに注目。
こちらは国別の固定資産、つまり設備投資残高ですが、ここにようやくロシアの名前が登場した。
その割合は全体のわずか2%(1.9)%。
以上より、今回の侵攻による原油価格等の上昇も加味した場合、ロシアからの事業撤退による減損損失計上を含めた業績全体に与える影響はそれほど大きいものではない、と試算しているところですが楽観的過ぎるでしょうか?
(本情報を鵜呑みにしての投資にあたってはくれぐれも自己責任でお願いいたします。)
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