通信大手のAT&Tが現地時間6月20日の投資家説明会(2023 Bank of America C-Suite Technology, Media and Telecommunications Conference)において最新の会社見通しを公表しました。
注目はやはりフリーキャッシュフロー。
ちなみに現地時間の5月22日に開催されたJ.P. Morgan Stanley Technology, Media and Telecom Conferenceにおいて、
AT&Tは着実な業務遂行とコスト削減の継続的な効果により、調整後EBITDAが通年で3%以上の成長を続けるという予想の元、(通期見通しの)2023年通年で160億ドル以上のフリーキャッシュフローを実現する自信がある。
との見通し、というか当初見通しに変更なし、との説明をしていたわけですが、それから約1か月が過ぎ第2四半期の業績もほぼ固まりつつある中での今回の見通しは以下のとおり。
・第1四半期決算では、(約10億ドルと)市場予想を大きく下回る結果となったが、この実績は想定内、社内の見解と一致していた。
・第2四半期については、市場予想(ファクトセットコンセンサス)が36億ドルであるのに対し、35億ドルから40億ドルのフリーキャッシュフローを見込んでいる。
・設備投資(device)の支払いは季節的に常に第3四半期と第4四半期が上半期に対して最も低くなる。
・通期では160億ドルまたはそれ以上になると確信している。
ということで、やはり160ドル達成は可能との見通しを変更することはありませんでした。
もちろん今回の発表はホルダーにとって朗報ですが、冷静に数字を見れば第2四半期までで約50億ドルのフリーキャッシュフロー見通しに対して160億ドルを達成するためには下期で約110億ドルのフリーキャッシュフローが必要。
となると下期でよほど利益(キャッシュベース)を稼ぐか、設備投資支払いが異常に低い数字にならないと達成は不可能では?
という疑問が湧いてくる。
このうち設備投資支払いについては今回の説明会でのアナリストの質問に対して”異常に低い数字ではない”と回答しています。
ということは、下期にキャッシュベースでの利益が大幅に増加する、
ということになるのですが、正直説得力がない。
フリーキャッシュフローは配当の源泉、何はともあれ7月20日前後にリリースされる第2四半期決算の見通しを含む数字に注目したいと思います。
(会社コメントを鵜呑みにしての投資にあたってはくれぐれも自己責任でお願いいたします。)
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