若い方はあまりピンと来ていないかもしれませんが、70歳までの就業機会の確保を企業の努力義務とする「高年齢者雇用安定法」の改正法が来年(2021年)4月から適用される予定です。
現在の「高年齢者雇用安定法」では、企業は希望者全員を65歳まで雇うことが義務つけられているわけですが、改正法では企業側は、以下の中からいずれかを実施しなければなりません。
1.定年制の廃止
2.70歳までの定年延長
3.定年後または65歳までの継続雇用終了後も70歳まで雇用(または関連事業主(子会社・関連会社等)が雇用を確保))
4.定年後または65歳までの継続雇用終了後、(関係の事業主以外の)再就職の実現
簡単、かつ乱暴に言ってしまえばこれまでの65歳から70歳へとさらに定年が伸びた。
そしてその背景には当然公的年金制度の維持があるわけです。
もちろん健康で働く意欲満々の方には今回の改正はウエルカムでしょうが、ことはそう簡単にはいかないのではないでしょうか。
「いやいや、法律で義務付けられているわけだから、働きたい人が働く分には何の問題もないのでは?」
と思われるかもしれませんが、これを受け入れる側から見たらどうでしょう。
例えば若い方。
今でさえ自慢話を含め口はやたら出すが、手は全く出さない年寄りがやっといなくなってくれる、と思っていたら定年延長でさらに居座る。
なんてことになったらどうです?うれしいですか?
ましてや今後さらにIT化が進む中、ホワイトカラー職においてIT音痴の年寄りなどもはや邪魔者以外の何物でもないのでは?
むろん企業側とてそれは同様。
給料を減額できるとは言え、IT化が進んでいる企業であればあるほどそんな年寄りは不要。
でもクビにはできない。
しかし問題はそれだけではないのです。
実は当の本人にとっても定年延長はいばらの道だということ。
年々、それも加速度的に老眼やタイピングスピードや何より判断力・持続力の衰えが進む。
これまで難なくできていた仕事に時間がかかるようになる。場合によっては納期内に完了できなくなる。
PCの新しい機能が全く覚えられない。会議予約ってどうやるんだっけ?会議時間過ぎてるのに会議に参加できない。画面が一向に出てこない。
ああー、ついていけない。
そんな状況下、若い人の冷たい視線が刺さる。「ついこの前も教えたのに、、、」って目が語っている。
もちろん日々の職場での会話は世代間ギャップでかみ合わない。
となれば、年寄りの人数が少ない職場ほど周りからどんどん浮いていってしまう。
この悲惨な現実。
「いやいや、そんなんだったら定年延長しなけりゃいいだけじゃん。」
そう、ポイントはそこ。
「ではあなたは定年延長しなくても生活していけますか?」
「ただでさえ少ない公的年金が65歳からしか支給されない中、しかも将来開始年齢がさらに引き上げられる可能性が極めて高い中、80歳、いや90歳までまかなえるような十分な資産を構築できていますか?構築できる自信がありますか?」
これが当方が当ブログで株式投資の重要性を自らの経験を含め口をすっぱくして言っている理由。
おわかりいただけましたでしょうか?
(定年延長の決定にあたってはくれぐれも自己責任でお願いいたします。)
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