エネルギー大手のエクソン・モービル(XOM)が従業員に確定拠出年金の会社拠出(マッチング拠出分)を停止する旨伝えた、とロイターが報じました。
従業員のモチベーションの低下懸念に対してエクソンは、総報酬は停止後でも競争力があるものだ、とコメントしています。
7月31日の第2四半期決算発表時、エクソンは、
「営業費用をさらに削減し、可能な場合は費用を繰り延べることを計画しており、そうすることで配当を維持し、負債を現在の水準に保つことができます。」
とコメントしていましたが、まさに今回の決定は営業費用の削減策の一つと言えます。
ただその一方で上記のとおり「借り入れはこれ以上増やさない。」ともコメントしていた。
となれば今回の削減策だけではまだまだ不十分であることは明白。
それはキャッシュフローを見れば一目瞭然。
こちらは第2四半期(6ヶ月累計)のキャッシュフローの状況ですが、エクソンの場合営業キャッシュフローから設備投資を引いた残り、つまりフリーキャッシュフロー(黄色)の段階ですでにマイナスとなっているのです。
つまり「配当を維持する。」と言ってはいるものの、配当支払い分のキャッシュがまるまる不足している状況。
となれば取るべき策は、
・リストラを含むさらなる費用削減を実施する
か、
・更なる設備投資削減を実施する
か、
・資産売却を行う
しかないわけです。(借り入れは増やさない、と明言していますから、、、)
いや、現在の年間約150億ドルという巨額の配当を捻出するためには、大規模なリストラの実施、思い切った設備投資の削減、そして資産売却の複合技で行かねばならないのではないでしょうか?
くどいようですが、借入を増やす、というオプションはないわけですから。
まさか天下のエクソン・モービルが神頼みならぬ、
「原油価格(の上昇)頼み。」
なんてことはないと思いますが、、、
何はともあれ、今回の確定拠出年金の削減に続く今後の追加発表を待ちたいと思いますが、次回10月末予定の配当のお知らせまでに何の発表もないようであれば、
減配の可能性が限りなく高い、と思っておいた方が良いような、、、
ホルダーは要注意です。
(コロナ下で借入は増やさないし配当も減らさない方針の銘柄への投資にあたってはくれぐれも自己責任でお願いいたします。)
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