バフェット率いるバークシャー・ハザウェイが7月5日、公益事業銘柄のドミニオン・エナジー(D)から天然ガス輸送、貯蔵事業を買収すると発表しました。
有利子負債を含めた買収総額は97億ドル。(日本円換算で約1兆380億円)
尚、買収完了は今期第4四半期を予定しています。
ここ最近バークシャーの話題と言えば売却。
新型コロナウィルス流行により、保有していたアメリカン・エアーラインズを始め航空株のすべてを売却。
さらにゴールドマン・サックスの8割、USバンコープの一部も手放しています。
一方買収、特に大型買収はバフェット曰く「魅力的な投資先がない。」ということで行っていなかったわけで、今回の買収は久しぶりの大型買収となります。
ただ内容を見るとバークシャーにとって収益源の多角化を図れるとは言え、ある意味「時代に逆行した行為。」とも言えるでしょう。
地球温暖化を始めとする環境に対する世界的な関心の高まりの中、エネルギー企業は環境保護団体や機関投資家から気候変動対応を強く求められており、それは米国とて例外ではありません。
そんな中あえて温室効果ガスを排出する天然ガス事業を買収する。
いかにもバフェットらしい選択ですが、ここ最近のパフォーマンスが芳しくないだけに、その成否が多いに注目されるところです。
一方のドミニオン・エナジー。
こちらは2050年までに二酸化炭素の総排出量をセロにする目標を掲げ、今後15年でゼロカーボン発電とエネルギー貯蔵、再生可能な天然ガスを含む排出削減技術に最大550億ドルを投資する計画を発表、再生可能エネルギーに積極的に投資する考えを示していました。
そして東海岸の天然ガスパイプライン計画からの撤退も公表。
さらに2018年から2025年の間に4ギガワット以上の石炭と火力発電から撤退する方針となっています。
その意味から今回のバークシャーとの取引は会社方針に沿ったものであるわけですが、何と言っても注目したのは事業売却による影響。
まず売却によって得た資金のうち30億ドルを自己株取得にあてるとのこと。
次に2020年の営業利益の見通しを変更。
具体的にはこれまでの1株当たり4.25ドル~4.60ドルから3.37ドル~3.63ドルへの減益となる、としています。
そして最大の注目ポイントは配当。
その内容は以下のとおり。
・2020年、3月と6月に1株当たり94セントの配当を実施しましたが、9月に1株当たり94セントの配当を予定しており、12月には取引完了のタイミングを反映して63セントの4回目の支払いを想定しています。
・2021年の1株当たり配当は年間で約2.50ドルとなっています。
・2022年以降、1株当たり年間配当が年間約6%増加すると予想しています。
って、げっ、減配、、、(汗)
30億ドルの自己株買いは焼け石に水。
結局売却した事業分の大幅な利益減少によって減配を余儀なくされることになってしまいました。
ということで、残念ながらこの銘柄を即行で売却したインカムゲイン投資家なのでした。(泣)
(増配率が急減した銘柄への投資にあたってはくれぐれも自己責任でお願いいたします。)
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