決算発表

ギリアド・サイエンシズの2024年第1四半期決算 売上〇、利益×△、通期予想× でも 様子見継続

バイオ医薬品銘柄のギリアド・サイエンシズ(GILD)が現地時間の4月25日に2024年第1四半期決算を発表しました。

概要は以下のとおり。

売上は前年同期比で5%の増収。

売上の明細は以下のとおり。

主力のHIV(エイズ治療薬)を始め新型コロナ治療薬のVeklury(レムデシビル)以外のすべての製品が増収。

但しCell Therapy(細胞治療薬)とTrodelvy(乳がん等治療薬)がそれぞれ7%、38%増と引き続き伸びたものの伸び率が落ちているのが気になります。

次に利益の方ですが、会計基準ベースで前年同期の1株当たり80セントに対して3.34ドルの損失と赤字に転落していますが、これは肝疾患治療薬開発企業であるシーマベイ・セラピューティクス(CBAY)買収に伴い取得した仕掛研究開発費39億ドル(1株当たり3.14ドル)、および2020年にイミュノメディクス社(Immunomedics)から取得した資産に関連する減損損失24億ドル(1株当たり1.46ドル)を計上したため。

そして調整後1株利益もCBAY社買収に関連する費用計上により前年同期の1.37ドルに対し1.32ドルの損失計上となっています。

但しアナリスト予想との比較では以下のとおり売上、調整後1株利益(損失)ともに予想を上回っています。

最後に注目の2024年の通期予想ですが、以下のとおり売上は271億ドル~275億ドルと前回予想を維持したものの、調整後1株利益はCBAY社買収に関連する費用計上により前回予想の6.85ドル~7.25ドルから3.45ドル~3.85ドルに大幅に引き下げています。

以上、シーマベイ・セラピューティクス社買収により赤字決算となり、通期予想利益を大幅に引き下げたこの銘柄ですが、製品売上が増収となっていること、また(期の途中とは言え)営業キャッシュフローは前年同期の1,744百万ドルに対し2,219百万ドルと増加していること、さらには買収期待を含め、

売上〇、利益×△、通期予想× でも 様子見継続

とします。

(新型コロナ治療薬には完全に頼れなくなっている銘柄への投資にあたってはくれぐれも自己責任でお願いいたします。)

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