エネルギー大手のエクソン・モービル(XOM)が現地時間の1月7日にForm 8-Kを提出し、2024年第4四半期の利益見通しを開示しました。
Form 8-Kとは
Form 8-Kは、アメリカ合衆国において、株式公開企業(SEC登録企業)に提出が義務付けられている、SEC向け報告資料の開示様式(フォーム)のことをいいます。
現在、SEC登録企業では、会社支配権の変更、企業買収、行政処分、破産、取締役の退任、監査人の変更などの財政状態に影響を与えるイベント(特別な事象)が起こった場合に、このフォームを用いてSEC(米国証券取引委員会)に報告すると共に、迅速な対外発表が求められています。
(iFinanceより)
その内容をまとめたものが以下となります。
この表は上からセグメント別の2024年第3四半期の当期利益(NON-GAAPベース)、そして2024年第4四半期決算に影響を与える主な要因を市場要因と計画された要因や季節的要因等に分けて開示したものです。(単位は億ドル)
市場要因の内容としては、アップストリーム(上流)事業では原油価格、ガス価格、未決済デリバティブの時価評価の影響額、エネルギー製品事業では精製マージン及び未決済デリバティブの時価評価の影響額、そして化学製品事業と特殊製品事業では精製マージンの影響額となります。
また、計画された要因や季節的要因等に関する内容としては、計画されていた修繕費の変更等の影響額となります。
まずエクソン・モービルの2024年第3四半期決算の調整後の当期利益は86億ドル。
そして今回、この実績に対して2024年第4四半期に影響を与える要因を開示したわけですが、影響額の合計額はいわゆる下限値でマイナス40億ドル、そして上限値で0(第3四半期と同額)となっています。
その内訳ですが、まずアップストリーム(上流)事業における影響額の合計額は主に原油価格の下落によりマイナス13億ドルからプラス3億ドル。
またエネルギー製品(ガソリン・ディーゼル燃料)事業においては精製マージンの悪化、未決済デリバティブの時価評価の影響等によりマイナス17億ドルからマイナス5億ドルを予想。
そして化学製品事業において主に精製マージンの悪化によりマイナス7億ドルからマイナス1億ドルとしています。
通常我々投資家がこのような予想データを確認する際、頭に入れておくべきは下限値(悲観値)で見ておくこと。
となると下限値での影響額はマイナス40億ドル、つまり2024年第3四半期実績の86億ドルに対して46億ドル程度と大幅に減少することになります。
もちろんリリース文章にあるとおり今回の見通しはすべての変動要因を網羅するものではなく、実際の業績とは差異があることは百も承知。
エクソンの第4四半期決算の発表日は現時点では1月31日の予定。
いずれにしても今回は第3四半期よりも厳しい決算となる覚悟を持って迎えねばなりません。
(業績が原油、天然ガス価格に大きく依存する銘柄の購入にあたってはくれぐれも自己責任でお願いいたします。)
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