8月30日に食品大手のクラフト・ハインツ(KHC)が不振事業切り離しで再建を図るため会社分割を検討している。との報道がありました。
会社分割について以前から報道があったわけですが、収益が悪化したミニピザなどの加工食品を中心としたブランドを分離して別会社とし、ケチャップ等調味料類などの優良事業を残すことで再建を目指す。とのこと。
そこで今回はこの会社分割報道についてちょっと深堀してみることにしました。
まず直近2024年の年次報告書(FORM 10-K)を確認し、プラットフォーム(商品)別売上の売上割合をまとめたものが以下となります。
御覧のとおり、もっとも売上が大きいのが44%を占める「テイスト・エレベーション」となっているわけですが、このテイスト・エレベーションが今回の報道で優良事業として残す予定のケチャップ等調味料類となります。(そしてそれ以外の商品がスピンオフされる食料品会社において取り扱われる商品ということになります。)
また直近3年間のケチャップ等調味料類(テイスト・エレベーション)の売上の推移と全体に占める割合(シェア)は以下のとおりとなっており、2024年は減収となりましたが、全体に占める割合は43.4%から44.0%へと上昇しています。(つまりケチャップ等調味料類以外の減収幅の方が大きかったということ。)

では、このケチャップ等調味料類の利益はどの程度なのか?
ということですが、残念ながら年次報告書(FORM 10-K)やプレゼン資料にその数字はありませんでした。
ただ、報道を信じればハインツ(トマトケチャップ他)やフィラデルフィア(クリームチーズ他)等の主要ブランドからなるケチャップ等調味料類は優良事業であり、加工食品を中心とした不振事業切り離し(会社分割)によってより利益率の高い会社となることは明らか。
しかも冷静に見れば、現在の、つまり不振事業を含むクラフトハインツの真の稼ぐ力を表す営業キャッシュフローマージンは以下のとおり上昇を続けており、不振事業切り離しで更なる上昇が大いに期待できる。

もちろん懸念点がないわけではない。
その一つが直近2025年6月末時点で200億ドルを超える巨額の有利子負債をそれぞれの会社(存続会社とスピンオフされる別会社)がどの程度引き継ぐことになるのか?
ただ今回の会社分割実施によって、投資対象として検討する価値のある会社、つまり新生クラフトハインツが誕生することは間違いない。
ということで、バークシャー(バフェット)の今後の動きを含め、ちょっと興奮して来たインカムゲイン投資家なのでした。
(何やかや言っても巨額の減損損失を計上した銘柄への投資に当たってはくれぐれも自己責任お願いいたします。)
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飛びつくのも危うい気もしますね
ていの良い損切りがうまくいくか。
スピンオフされた不採算側の会社が存続できるのでしょうか、、、
メロリンさん
おはようございます。
スピンオフされる会社の将来性はないでしょうねぇ。
JNJしかりIBMしかり、ていの良い損切りがうまく行っている例もありますから判断が難しいところです。