通信大手のAT&T(T)が現地時間の6月18日に3400人以上のリストラを発表しました。
上級管理職、管理職、一般職と幅広い職位が対象となっており、来週以降に実施されるとのこと。
そしてこのリストラ以外に店舗の閉鎖を進め、数百人を解雇する、としています。
店舗閉鎖の理由はもちろん新型コロナウィルスの影響。
AT&Tと言えば日本円換算で20兆円近い売上規模を誇る巨大企業。
従業員数は244,000人にも達するわけで、今回のリストラは全体の1.5%程度、とは言えなかなかの規模。
さらにAT&Tの場合、第一四半期時点での新型コロナウィルスの1株利益に与えた影響は業種柄以下のとおり非常に軽微でした。
にもかかわらずスリム化を図るためこうやってしっかりとリストラを実施する。
日本企業にはないこういう姿勢に投資家として好感が持てます。
そのAT&Tですが6月17日の投資家向け説明会でCFOが最新の状況を公表しています。
その中で当方が注目したコメントは以下のとおり。
・中長期での新型コロナウィルスの影響を精査中であり、先行き不透明ではあるが、ワイヤレスサービス、ブロードバンド等の回復力を考えると、現金を生み出す能力に自信を持っている。
・今後も変革とコスト削減を実現し、株主に配当を支払うというコミットメントを維持し、ビジネスの主要成長分野である5G、ファイバー、 HBO Maxへの投資を行うとともに借入金を減らす予定。
・2020年には、年間の配当性向が60%の範囲になると予測している。
この内容ですが、4月22日の第1四半期決算発表での以下CEOの発言をほぼ踏襲していると言えます。
「私たちは強力なキャッシュポジションと強力なバランスシートを備えており、コアビジネスは堅調であり、今日の環境においても引き続き優れたフリーキャッシュフローを生み出しています。
新型コロナウイルスの経済的影響を考慮して、私たちはすでに資本配分計画を修正し、すべての株式の消却を一時停止しました」。
「その結果、私たちは、5G、ブロードバンド、HBOマックスなどの重要な成長分野に投資し続けることができると同時に、配当を維持し、借入金を返済することができます。」
つまり2ヶ月が経過したが状況・方針に変化なし。
ということで一安心。
当面はこの銘柄のアキレス腱とも言える莫大な有利子負債残高と5月27日にサービスを開始した新たな動画配信サービス、「HBOマックス」の成り行きに注目したいと思います。
(増配率がひたすら逓減を続けている銘柄への投資にあたってはくれぐれも自己責任でお願いいたします。)
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