エネルギー大手のシェブロン(CVX)が現地時間の7月20日、米シェール大手のノーブル・エナジー(NBL)を約50億ドル(約5300億円)で買収すると発表しました。
買収は株式交換で実施し、ノーブル株1株に対しシェブロン株約0.12株を割り当てるとのこと。
この一報を目にし、当方なんとも複雑な気分に。
会見でマイケル・ワース最高経営責任者(CEO)は「(今回の買収は)費用対効果が高い取引だ」と強調したとのことで、確かに今回のノーブル株の1株10.38ドルという評価額は前週末の終値を7%上回るものの、コロナ危機以前と比べるとおよそ半分の水準。
つまり長い目で見れば、新型コロナウィルス流行により長引く原油価格の低迷で青息吐息のシェール企業を安く買う良いタイミングだった、と言えるでしょう。
そして買収効果として、「北海ブレント先物が1バレル=40ドルにとどまると想定した場合、この買収で年間約3億ドルの経費節減が可能になる。」と説明されています。
しかし、投資家として気になるのが、買収を株式交換で行うこと。
つまり希薄化。
あくまで単純計算で2020年3月末のノーブルの株式数が4.83億株ですから、今回の買収によりシェブロンの発行済株式数は約5800万株増加することになります。
つまり買収前に比べ株数が約3%増加することになるわけです。
仮にこれまでの配当方針を変更しないとすれば、配当を維持するためには3%余計に利益を上げねばならないということ。
さらに買収によってノーブルが抱える債務(3月末時点で有利子負債は86.7億ドル)も引き受けることになる。
もちろん昨年までであれば気にする必要はなかったのかもしれませんが、現在はコロナ発生によって経済環境が悪すぎる。
原油価格がいつになったら以前の水準に戻るのか、全くわからない。
そんな状況下での今回のシェブロンの買収発表。
買収手続きは第4四半期に完了する見通しとのこと。
尚、マイケル・ワース最高経営責任者(CEO)は以下のコメントも残しています。
「この取引により、不確実な未来を乗り切り、株主に配当を提供し続けることができます。」
配当を提供し続ける事が出来る。
果たしてこの意味が「たとえ減配はしても」、という意味なのか?
ホルダーとしてその成り行きに注目したいと思います。
(買収発表直後の銘柄への投資にあたってはくれぐれも自己責任でお願いいたします。)
よろしければ応援クリックお願いします。
にほんブログ村