決算発表

ファイザーの2020年第4四半期決算 新型コロナワクチン売上激増に感じる一抹の不安

ヘルスケア大手のファイザー(PFE)が現地時間の2月2日に第4四半期決算を発表しました。

まずこちらがGAAP、いわゆる会計基準ベースでの概要となります。

尚、後発薬を取り扱うアップジョン事業のスピンオフ完了に伴い、今回から新薬開発(バイオファーマ)事業に特化した、いわゆる新生ファイザーの決算数値となっています。

ファイザーのアップジョン事業分離で誕生したヴィアトリスを即行で売却する理由以前からお伝えしているとおり、製薬大手ファイザーは後発薬(特許切れ医薬品)事業のアップジョン事業をスピンオフ(分離)し、同業のマイランと...

まず売上ですが、以下のとおりセグメント情報も新たな区分に変更されています。

全体では前年同期比で12%増と二ケタ増収を達成。

特にRare Disease(+26%)、Oncology(+23%)、そして新型コロナウィルスの供給が開始されたことでVaccines(+17%)が大きく伸びているのが見て取れます。

そして1株利益ですが、特殊要因を除いた調整後の1株利益でも以下のとおり前年同期比で2ケタ増(+17%)となっています。

但し発表当日の株価は調整後1株利益がアナリスト予想(FactSet)の0.50ドルに届かなかったことから2%以上の下落。

ファイザーの話題と言えば言うまでもなく新型コロナワクチン。

今期2021年には日本を含む世界への供給が加速するわけですが、注目の今期予想は以下のとおり。

御覧のとおり今回新型コロナワクチン影響を表すべくワクチンの売上、調整後利益のインパクトを除外した数値も公表しており、このワクチンが全体に占める割合が売上で約25%(金額で150億ドル)、そして利益で約19%と非常に大きくなっている。

つまりこのワクチンが今後の業績に大きな影響を与えることになった。

そうでなくても現在ファイザーはワクチン価格をアストラゼネカ等の一部の競合他社よりかなり高く設定している。

ということで保有は継続するものの、一抹の不安を感じていることは確かです。

(一つの製品への依存度を高めつつある銘柄への投資にあたってはくれぐれも自己責任でお願いいたします。)

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POSTED COMMENT

  1. みずほ より:

    世界でワクチン争奪戦なので期待大!ばかり、という事もないのでしょうか。
    今年と来年も需要大と思いますが。

    • naobito より:

      みずほさん
      お久しぶりです。
      おっしゃるとおり短期的には需要大でしょうね。
      ただ現時点ではファイザーのワクチンは超低温での保存が必要なことと、2回の接種が必要ということで決して安泰ではないと考えています。

  2. ひろー より:

    こんにちは。
    RNAウィルスのワクチンはインフルエンザワクチンと同じく一年から数年のバージョンアップが必要なのでドル箱化に期待ですね!
    インフルエンザワクチンよりも劇的に奏功するワクチンなので摂取率は高くなるとは思います。
    ただ、PFEは損だしに使ってしまったので、ノーポジの外野の意見だと思って聞き流してください♪ヽ(・ˇ∀ˇ・ゞ)

    • naobito より:

      ひろーさん
      こんばんは。
      確かに現時点では有効性が高いので接種率は上がりますよね。
      後は他社との競争に勝ち続けられるかどうか、でしょうか。

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