たばこ銘柄のフィリップ モリス(PM)が現地時間の3月4日に配当のお知らせをリリースしました。
発表内容は以下のとおり。
フィリップ モリス インターナショナル(NYSE:PM)の取締役会は本日、2021年3月22日現在の登録株主に対して、2021年4月9日に支払われる普通株式1株当たり1.20ドルの四半期配当を宣言しました。
配当落ち日は2021年3月19日です。
この銘柄の増配タイミングは10月支払い時、ということで今回も前回と同額の支払いとなっています。
今さらですがフィリップ モリスと言えば米国銘柄。
そして米国銘柄の場合、通常現地で源泉される外国税率は10%となっています。
その後日本において所得税と地方税を合わせて約20%源泉されるわけです。
しかしこの二重課税に関しては租税条約によって外国で課税された税金の還付(但し上限あり)が認められています。
これが外国税額控除。
だから米国株投資家の場合、通常は確定申告での外国税額控除の手続きは必須作業となるわけです。
とここまでは、米国株投資家の皆さんであれば今さら説明の必要はないでしょう。
ただ同じ米国銘柄でもフィリップ・モリスの場合少々状況が違います。
この銘柄は通常の米国銘柄に比べ外国税額が少なくて済むのです。
その理由はフィリップ モリスの場合は、”80/20 company”に該当するために配当金の大部分について外国税の源泉を免除されているから。
”80/20 company”というのは、ある特定の期間において総収入の80%(以上)が米国外の事業活動から発生している企業のことであり、フィリップ モリスはその収入のほとんどを米国外の活動から得ており、”80/20 company”に該当しています。(ちなみに米国市場担当はアルトリア(MO)となります。)
その結果、配当の大部分が源泉税を免除されている。
具体的には2021年の場合、国外の事業活動の割合が95%であり、配当に課税される部分は全体の5%にしか過ぎません。
つまりその税率は5%×源泉税率の10%=たった0.5%ということになります。
「いやいや、そうは言ったって外国税額控除を申請すれば(上限はあるにせよ)米国で課税された分は戻ってくるわけだから結局おんなじじゃないの?」
いいえ、違います。
それがNISA口座で購入した場合。
NISAの場合には日本での課税がないことから、二重課税状態になっていないため外国税額控除の申請はできない。
つまり通常であれば10%の外国税額分まで還付することはできない、つまり課税されてしまうのです。
しかしフィリップ モリスの場合、これがわずか0.5%で済む。
おわかりいただけましたでしょうか?
(投資にあたってはこちらを参考にしていただけるとさらにこの銘柄への理解が深まるかと。)
(「煙のない未来の提供」を謳っているとは言え、健康被害から逃れられない銘柄への投資にあたってはくれぐれも自己責任でお願いいたします。)
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