英石油大手BPが現地時間の6月8日、世界の全従業員の15%近くにあたる1万人を削減すると発表しました。
もちろんその理由は新型コロナウイルスの感染拡大で深刻になった石油の需要低迷を受けた経費のさらなる圧縮。
BPの従業員は約7万人、対象となるのは主にオフィス勤務者で大部分は年内に行うとのこと。
BPはすでに設備投資の25%圧縮や経費全般の削減を発表しているわけですが、やはりそれでは不十分と判断したようです。
ただ、そんな厳しい状況下にあっても4月終わりに発表した直近の配当は減配していません。
(うーむ、このあたりはロイヤル・ダッチシェルと違って誠に株主思いの会社。うらやましい、、、)
ただ、今回の人員削減でこのまま減配することなく乗り切れるのか?
ということでこの銘柄の過去のキャッシュフローの状況からまったくの独断と偏見で今期予想をしてみることに。
こちらは営業キャッシュフロー(黄緑色)、フリーキャッシュフロー(黄色)、そして配当支払後の残高(フリーキャッシュフローから配当支払を引いた後残った金額(青色))を表したグラフとなっています。
まず左側のシナリオ1ですが、こちらはすでに発表済みの今年の第1四半期とほぼ同じ状況が残りの9ヶ月続く、と想定した場合となります。
この場合の配当支払後の残高ですが、なんとマイナス166億ドルとなってしまいます。
但し、四半期の営業キャッシュフローを単純に4倍することには少々無理がある、ということでシナリオ2を作成してみました。
こちらは過去5年間で最低の業績だった2016年レベルにまで稼ぐ力(営業キャッシュフロー)が落ち込んだ場合となります。
この場合は約97億ドルのマイナスとなっているのが見て取れます。
尚、設備投資額は25%削減後の120億ドルを使用。
但し、今回の1万人の人員削減と経費削減分は加味していません。
(このうち人件費の方ですがBPは年間の人件費が80億ポンド程度であることを公表していますので、単純にその15%として15億ドル程度の規模でしょうか?)
この結果を見ると「やはり今期減配の可能性大?」と思ってしまいそうですが、実はこの銘柄には隠し財産ならぬ潤沢なキャッシュがありまして。
その額2020年3月末時点でなんと約182億ドル。
BPは2021年中旬までに150億ドルの事業売却計画があり、現在推進中となっているのです。
もちろんエネルギー銘柄の業績は原油価格次第、のわけですが、この銘柄の場合減配回避の可能性もありそうです。
(素人投資家の勝手予想を妄信しての投資にあたってはくれぐれも自己責任でお願いいたします。)
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