当方がインカムゲイン投資を行う上で注目している指標の一つ、それが営業キャッシュフローマージン。
損益計算書(PL)の利益と違いお化粧がきかないこの数字を非常に重視しています。
そしてこの数字は過去からのトレンドを見ることでさまざまな景色が見えてくるのです。
ということで、今回2020年度版としてアップデートを行いライバル企業の比較を行ってみることにしました。
比較するのはたばこ銘柄。
具体的には以下4銘柄となります。
・ブリティッシュ・アメリカン・タバコ(BTI)
・アルトリア(MO)
・フィリップ・モリス・インターナショナル(PM)
・JT(日本たばこ産業)
これら銘柄の営業キャッシュフローマージンですが、御覧のとおりBTIを筆頭にアルトリア、そしてフィリップ・モリス・インターナショナルが2018年以降30%を超えるマージンとなっているの対して、一人蚊帳の外がJTという状況。
やはりJTの場合は、日本市場への依存度が高くその法人税率の高さも影響していることは確か。
ではこれらの銘柄の増配率はどうか?
(尚、BTIの配当金はBTIの会社ホームページのデータ(具体的にはNYSE(USD))を使用)
御覧のとおり2020年こそその勢いに急ブレーキがかかったものの、アルトリアの増配率の高さが目につきます。
一方JTは完全に尻つぼみ状態となっているばかりか、2020年度決算発表において2021年の配当予想を1株当たり154円から130円へと減配しています。
そして意外なことに営業キャッシュフローマージンでは他社を上回るBTIの不安定さが目につくわけですが、これは為替が影響していることは確か。
どういう意味かと言うと、BTIは配当をポンド基準で支払っており、米国市場でADR銘柄として購入する場合は当然ドル建てで配当が支払われるため為替の影響を受けるというわけです。
その結果例えば2016年はポンドベースの配当は3.9%の増配を実施していたのに対して、ドル高(ポンド安)の影響を受けドルベースでは上記のとおり反対に4.2%の減配となっているのが何よりの証左。
最後に直近の配当利回りは以下のとおり。
一時に比べ利回りは下がったものの、新型コロナ流行や特に紙巻きたばこに対する慢性的な健康被害への懸念によって、どの銘柄もいまだ魅力的な水準となっているのが見て取れます。
ということで現在当方はアルトリアをお腹一杯保有していますが、これからたばこ銘柄を購入しようというインカムゲイン投資家にとってはそれほど悪い状況にはない、と考えているところです。
以上、ご参考まで。
尚、アルトリアとフィリップモリスへの投資にあたってはこちらの情報を参考にしていただけるとさらにこれら銘柄の理解が深まるかと。
(本データに基づく投資にあたってはくれぐれも自己責任でお願いいたします。)
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