銘柄研究

エクソン・モービルとシェブロンの第2四半期決算 軍配を上げたのは?

エネルギー銘柄のエクソン・モービル(XOM)とシェブロン(CVX)の第2四半期決算はすでに発表されているわけですが、新型コロナウィルスのパンデミックに伴う原油価格の暴落によってどもに非常に厳しい決算となったことはすでにお伝えしたとおり。

ただ2社の減収減益度合いは同程度だったのか?

という素朴な疑問が生じ、今回は両社の決算数値を単純比較してみることにしました。

まず会計基準ベースでの売上収益と1株利益は以下のとおり。

御覧のとおり前年同期比でどちらも大幅な減収減益ですが、シェブロンの方が減少幅が大きくなっている状況が見て取れます。

特に当期利益ではシェブロンが減損損失の計上等によって莫大な損失を計上しています。

この結果だけを見ればエクソン・モービルの方がはるかにまし。

という風に見えます。

しかしキャッシュフローの状況を比較すると別の姿が見えてきます。

当期(2020 2Q)の数字を見るとエクソン・モービルがフリーキャッシュフロー(黄色)で約41億ドルの赤字に転落、そして配当支払い後の残高(マイナスー青色)は100億ドル(116.15)を超えています。

一方シェブロンも状況はほぼ同様ですが、エクソン・モービルよりはマイナス幅がはるかに少ない状況となっています。

以上、損益計算書(PL)ではエクソン・モービル。

一方のキャッシュフローではシェブロン(がまし)。

となっているわけですが、もちろん当方として軍配を上げたのは、

シェブロン。

以前からくどいほど言っていますが、損益計算書の数字はお化粧が可能、一方ごまかしがきかないのがキャッシュフロー。

借入残高も上記キャッシュフローを反映し、エクソン・モービルが大幅に増加している状況となっているのです。

ということで純粋に企業の稼ぐ力、財務の健全性を比較した場合、その答えは出ているといえます。

(ライバル比較を妄信しての投資にあたってはくれぐれも自己責任でお願いいたします。)

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