通信大手のAT&T(T)が現地時間の12月11日、配当のお知らせをリリースしました。
この銘柄の最近の増配タイミングは2月初旬の支払い時、つまり今回のお知らせが(これまでであれば)増配のタイミング。
ということで非常に注目していました。それも不安を持って。
その理由ですが、今年は新型コロナウィルス流行で米国国内映画館の閉鎖等によるメディア事業の落ち込み等があり、直近第3四半期の決算も御覧のとおり前年同期を大幅に下回っています。
そんな厳しい状況下、多額の有利子負債を抱えるこの銘柄の場合今回は増配どころか減配の可能性すらある。
これに関して当方勝手ながら決算発表時会社が公表した260億ドルという通期のフリーキャッシュフロー予想値と配当性向50%台後半という情報から独自に試算した結果、
配当性向が57%以上なら1株配当は0.52ドルとなり減配はない。
よって減配せず。
と結論付けていた。
と前置きが長くなりましたが、発表内容は以下のとおり。
AT&Tの取締役会は本日、同社の普通株式に対して1株あたり0.52ドルの四半期配当を発表しました。
配当金は、2021年2月1日に、2021年1月11日の営業終了時点の株主に対し支払われます。
予想どおり減配はしなかった。
ということでほっと一安心。
折しも12月8日には投資家説明会が開催されており、そこでCEOであるジョン・スタンキー氏は以下のとおり最新の事業の状況を説明していました。
・ストリーミングサービスのHBO Maxについては、その有効契約数は1260万となり、9月30日時点の860万から増加、また1週間あたりのエンゲージメント時間数は過去30日間で36%増加している。
・2020年通年で260億ドル以上のフリーキャッシュフローを生み出し、配当性向は50%台後半という見込みに変更はない。
・2021年は260億ドルのフリーキャッシュフロー(資産売却からの収入を除く)及び210億ドルの設備投資を見込んでいる。
・配当を維持し、AT&Tの資本を効率的に投資して、会社の債務構造を長期にわたって管理することに取り組んでいる。
・AT&Tは、非中核的な戦略的資産を収益化するために、慎重かつ徹底的なアプローチを引き続き採用する。
これら発言から当方が思いを巡らすのはやはり来期の配当。
来期については資産売却による収入を除いてフリーキャッシュフローで今期予想並みの260億ドルを見込んでいますが、現在AT&Tは衛星放送事業のディレクTV売却に向け動いており、12月9日には入札最高額で150億ドル(負債を含む)、が提示されたとの報道があったばかりです。
ご存じのとおり衛星放送事業はネットフリックス等のストリーミングサービスに押され顧客を失い続けています。
非中核事業を売却し、依然として税引き前利益で全体の半分以上を生み出すワイヤレスサービスに対する投資に振り向けることが正しい道であり、その意味で会社の進んでいる方向は間違っていないと考えています。
いずれにしても今後も稼ぐ力を確認しながら、この銘柄の保有を続けて行くつもりです。
(巨額の負債を抱える銘柄への投資にあたってはくれぐれも自己責任でお願いいたします。)
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