決算発表

アッヴィの2024年第4四半期決算 売上〇 利益✕〇 通期予想〇 = 保有継続

研究開発型バイオ医薬品企業のアッヴィ(ABBV)が現地時間の1月31日に2024年第4四半期決算を発表しました。

すでにこの銘柄は1月6日リリースのForm8Kにおいて、取得した仕掛開発費およびマイルストーン費用が0.88ドル発生する見込みであることから、

・2024年通期の調整後希薄化後1株当たり利益ガイダンスの範囲は、2024年第4四半期の買収した仕掛研究開発費およびマイルストーン費用の影響を含め、10.02ドル~10.06ドル。

・2024年第4四半期の調整後希薄化後1株当たり利益ガイダンスの範囲は、2024年第4四半期の買収した仕掛研究開発費およびマイルストーン費用の影響を含め、2.06ドル~2.10ドル。

とする旨の発表があったわけで、ある程度の安心感というか覚悟を持って早速内容を確認。

概要は以下のとおり。

まず売上ですが、前年同期比で5.6%の増収。

続いて主力製品のヒュミラの売上を確認。

海外販売に加えメインの米国(国内)においても特許切れによる後発薬の販売開始で大幅な減収(-49.1%)が続いている状況は変わらず、また市場予想を下回りました。

次にヒュミラの売上減少を補う製品として会社が期待を寄せているスキリージとリンヴォックの状況は以下のとおり。

スキリージとは

乾癬(かんせん-免疫の異常によって皮膚や関節に特徴的な発疹などが起こる病気)、関節炎、クローン病、潰瘍性大腸炎を治療する薬

リンヴォックとは

中等度から重度の関節リウマチ患者へのリウマチ薬

こちらはスキリージが前年同期比で57.7%増、またリンヴォックが46.2%増とこれまで同様好調を維持、それぞれ市場予想を上回りスキリージに続きリンヴォックもついにヒュミラの売上を超えています。

次に利益の方ですが、会計基準ベースの1株利益は前年同期の0.46ドルに対し0.02ドルの損失と赤字転落となりましたが、その主な要因は統合失調症およびアルツハイマー病関連の精神病治療薬の第2相臨床試験が主要目標を達成できなかったため減損処理をしたことによるもの。

減損損失や無形資産償却等の特殊要因を除いた調整後1株利益(NON-GAAPベース)は前年同期の2.79ドルに対して2.16ドルと22.6%減となりましたが、事前予想の2.06ドル~2.10ドルを上回っています。

そしてアナリスト予想との比較では、以下のとおり売上、調整後1株利益ともに予想を上回りました。

最後に注目の2025年通期予想(調整後1株利益)ですが、以下のとおり12.12ドル~12.32ドル(※2025年中に発生予定の仕掛研究開発費およびマイルストーン費用は含まず)としています。

以上、事前予想を上回る決算となったばかりか、2025年の通期予想利益が前期比で20%~22%増と中央値で市場予想を上回り、米国ヒュミラの独占販売権喪失からわずか2年目に純収益がこれまでのピークを上回ると見込んでおり、明るい展望が提示されたと言えます。

さらに、

・2029年までの年平均売上高成長率が1桁台後半になるとの見通しを維持したこと

・ロブ・マイケル最高経営責任者(CEO)がアナリストとの電話会議で、残りの10年間は重大なネガティブイベントがなく、「少なくとも今後8年間は成長への明確な道筋がある。」と述べたこと

は朗報でしょう。

ということで、

売上〇 利益✕〇 通期予想〇 = 保有継続です。

(CEOの強気な発言を妄信しての投資にあたってはくれぐれも自己責任でお願いいたします。)

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POSTED COMMENT

  1. ウィニングチケット より:

    おはようございます。
    諸事情で最近朝はゆっくりで朝活出来ないでおりますが、このプログ記事もお布団の中でニンマリと眺めています。

    ・2029年までの年平均売上高成長率が1桁台後半になるとの見通しを維持したこと

    ・ロブ・マイケル最高経営責任者(CEO)がアナリストとの電話会議で、残りの10年間は重大なネガティブイベントがなく、「少なくとも今後8年間は成長への明確な道筋がある。」と述べたこと

    素晴らしいの一言です。向こう十年先まで見通している経営者、企業がどれほどいるのでしょうか。
    ほぼインデックスであまり個別株は保有せず(米国配当貴族はアッヴィ一社に絞り込み)保有するなら絞りに絞った最高の銘柄へと思っておりますが、このCEOの言葉にアッヴィに集中投資して良かったとニッコリしております。

    • naobito より:

      ウィニングチケットさん
      おはようございます。
      本当素晴らしいですよね。
      そもそもヒュミラの特許切れを見越して買収を含め様々な手を打って来たこの銘柄。
      そして開発成果が途切れる2023年、2024年は我慢の年と言い続けて来た。
      その言葉どおりの2025年からの飛躍。
      有言実行とはまさにこのこと。
      この銘柄への信頼がさらに高まったと感じています。

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