石油大手エクソン・モービルが現地時間の10月5日、世界的な事業見直しの一環として、2021年末までに欧州の関連会社で最大1600人を削減する、と発表しました。
今回のリリース文章は以下のとおり。(管理人勝手訳)
エクソンモービルは第2四半期決算説明会で説明された広範なグローバルレビューの一環として、ヨーロッパの多くの関連会社全体で人員を削減することを計画しています。
今回の変更は、各現地の情報および適用可能な協議プロセスによるものであり、効率を改善しコストを削減するために過去数年間に行われた再編成および作業プロセスの変更を通じて得られた洞察によるものです。
エクソンモービルの製品の需要に対する新型コロナの影響により、進行中の効率化作業の緊急性が高まっています。
2021年末までに、ヨーロッパにある同社の関連会社全体で最大1,600のポジションが影響を受けると予想されます。
国別の影響は、各地域の事業分析と市場の状況によって異なります。
最近の大規模な投資からも明らかなように、ヨーロッパは依然としてエクソンモービルにとって重要な市場です。
ただし、現時点では、コスト競争力を向上させ、これらの前例のない市況を確実に管理するために重要なアクションが必要です。
当方エクソン・モービルについては10月1日付の記事で、
この銘柄はコロナ流行による原油価格暴落前の2019年からすでに設備投資と配当を営業キャッシュフローでまかなえていなかった。
それが今期に入りコロナ流行による原油価格暴落でさらに状況は大幅に悪化。
このまま状況が変わらなければ減配は100%確実。
230億ドルの設備投資資金と150億ドルの配当支払をまかなうためには、一部資産の売却や経費削減だけでは不十分であり大規模なリストラが必要であることは自明の理ではないでしょうか。
と書きましたが、やはり予想どおり(というかようやく重い腰を上げ)リストラに踏み込んだか。
というのが正直な感想。
と同時に落胆の色は隠せません。
その理由はたった1600人という人員削減の規模。(エクソン・モービルの総従業員数は2019年で約75000人)
一方9月30日に一足早くリストラを発表したロイヤル・ダッチシェルは全従業員83000人のうち最大9000人。
しかもシェルの方がキャッシュフローはるかにいい状況であったにもかかわらず4月には(大)減配を発表(泣)、実施した上に大規模なリストラを発表。
正直今回のエクソンの発表は減配を避けるためには焼け石に水程度、要は不十分だと考えています。
ということで、さらなるコスト削減策や投資削減発表を心待ちにしている中年投資家なのでした。
(リストラを好感しての投資にあたってはくれぐれも自己責任でお願いいたします。)
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