現地時間の12月16日、バイオテクノロジー企業へと脱皮を図るファイザー(PFE)が配当のお知らせをリリースしました。
ファイザーの通常の増配タイミングは3月支払い時であり、まさに今回のお知らせがそのタイミング。
そのファイザーですがここ最近の増配はAT&T(T)同様毎期判で押したように0.08ドルということで、その増配率は逓減傾向にあるものの依然高いレベルの数字を維持しています。
但し、この銘柄の場合今後の増配は期待できない、つまり年間0.08ドル、四半期ベースでは0.02ドルの増配はしないだろう。
そう思っていました。
その理由は特許切れ(ジェネリック)医薬品事業を手掛けるアップジョン部門を後発医薬品メーカーのマイランと統合(スピンオフ)する計画の発表。
これによりファイザーは特許切れ医薬品部門と消費者部門からの決別を選択した。
つまり自社開発(もしくは買収)の身で生きる道を選んだ、ということになります。
となるとこの銘柄はもはや通常の総合医薬品銘柄ではなくバイオテクノロジー銘柄としてみる必要があります。
つまり言い方を変えれば新薬の開発に資源を集中投下し、その成功によって業績が大きく左右される企業。
分かりやすく言えばグロース企業の性質を持つ企業になった。
となれば配当への配分はおのずと後回し、ということになります。
それが増配に期待できない、と書いた理由。
前置きが長くなりましたが、注目&不安いっぱいのリリース内容は以下のとおり。
- 1月31日時点の株主に対し1株当たり38セントを来年の3月6日に支払う。
- ファイザーは前回2019年第4四半期の1株当たり36セントの配当に対して約6%増配を行った。
- 今回の配当はファイザーによる325四半期連続の配当支払となる。
ということで嬉しい内容となりました。
もちろんその理由はこれまで増配額0.02ドルを維持してくれたから。
この記事を書いている時点の株価も今回の発表を好感し上昇しています。
さらに当方を喜ばせたのが
「増配は株主還元に対する我々のコミットメントへの証(あかし)であり、我々の事業と製品群における継続的な自信を反映している。」
「それはまた患者のために有意義な価値の創造へ注力することが我々のすべの株主の利益になることの裏付けでもある。」
というCEOの言葉。
そう、新たな企業への脱皮を図るファイザーですが株主還元もしっかり行ってくれることを明言したのです。
ということで、その稼ぐ力(営業キャッシュフローマージン)が衰えない限り今後も保有を継続したいと考えています。
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