日本時間の5月15日、一般取引分のロイヤル・ダッチシェル(RDSB)をすべて売却しました。
その理由ですが、もちろん以下。
そう、66%もの大減配を発表したから。
「第二次世界大戦以降一度たりとも減配していなかったのに一体なぜ?」
「財務内容で劣るBPがほぼ同じタイミングで減配しなかったのに一体なぜ?」
等、言いたいこと(愚痴、嘆き、恨み節とも言う)は山ほど、いや星の数ほどありますが、すでに決定されたこと、投資家として前を向かねばなりません。
何はともあれこの大減配によって配当利回りは4.4%にまで激下がりしてしまいました。
となると、インカムゲイン投資家として投資妙味が薄れてしまった。
というか配当収入が大幅に減ってしまう。
これでは練りに練って作成したリタイアプランに大幅な狂いが生じてしまう。
ここは少しでも利回りの高い銘柄に乗り換えねば。
ということで売却を決意。
そしてすぐさま購入した銘柄が、
シェブロン(CVX)。
そう、同業のシェブロン。
「一体なぜ?」
まず購入時の配当利回りが5.7%とロイヤル・ダッチシェルよりも高かった。
「いやいや、利回りだったらなぜ天下のエクソン・モービル(XOM)を買わないの? エクソンの利回りは8%以上もあるの知らないの?」
っていう突込みが入りそう。
もちろん知ってます。
しかし、今回ばかりは財務内容、財務の強さを優先した。
具体的にはこちら。
こちらは両社の有利子負債営業キャッシュフロー倍率の推移グラフ。
有利子負債営業キャッシュフロー倍率とは
簡単に言えば今ある借金を毎年の稼ぐ力で何年で返済できるか?という数字(年数)であり、数字が少なければ少ないほど返済能力が高い、つまり財務的に安定しているということになります。
<計算式>
有利子負債営業キャッシュフロー倍率=有利子負債÷営業キャッシュフロー
御覧のとおり直近の2019年で見ると、エクソン・モービルの1.6倍に対してシェブロンは1.0倍と非常に低い数字となっているのです。
そして次がより重要なのですが、同年のキャッシュフロー計算書を見ると、エクソン・モービルはフリーキャッシュフロー(CF)で配当支払いをまかなえていなかった。(フリーキャッシュフロー6,632に対して、配当支払後の残高はマイナス8,020)
つまり借金をして配当していたのに対して、シェブロンの残高はプラス(6,897)、とまだまだ余力があった。
ということで今回はこの財務的な強さを重視した。
「はっ? それだったらエネルギー銘柄に手を出すこと自体おかしいでしょ! シェブロンだって今後の原油相場次第では減配も大ありでしょ!!」
そう言われると返す言葉はありません、、、(脂汗)
しかし当方、今回(も)あえて火中の栗を拾う決断をした。
「投資は自己責任。」といういつもの決まり文句を胸に秘め。
(キャッシュフローのみを妄信してのエネルギー銘柄への投資にあたってはくれぐれも自己責任でお願いいたします。)
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いつも非常に参考になる記事をありがとうございます。小生もrdsbは減配発表日に売りました。投資をしていると想定外の事が起きますね。
木村雅治さん
コメントありがとうございます。
本当に今回の件で、バフェットが言う「1000年に一度の洪水に備えよ。」という言葉の重みを実感しています。
1000年に一度の洪水に備えるのであれば、複数銘柄に分散しそうなものですが、CVX一本とは意外です。なんだかんだ言って、エネルギー銘柄に強気という腹のようですね。
コメディアンさん
その腹のようです。(笑)
ARCCで配当(12%)をもらいつつVTIでリターンも得る方がリスクが少ない(ARCCは潰れなければOKという観点)と思ったのですが、やはり原油関連のリバウンドに強い期待があるのですか?
今日も良い人さん
投資会社にはどうも抵抗がありまして。
長い目でのリバウンドに期待しています。
こんにちは。
おぉ、シェブロンに乗り換えたんですね。
今回のコロナ禍の第二ラウンドは今冬だと読んでます。なので何とかしてエネルギー銘柄のウェイトを減らす作戦を敢行中です。
エネルギー銘柄は短期では弱気、中期でやや強気、長期では弱気と言う相場感で行きます。
代わりにNADQやCMEと言った取引所銘柄のウェイトをあげようとしてます。
(取引所はベアマーケットほど値動きが乱高下するので取引量が増えるはず、なので手数料収入にはダメージが少ないのでは?と言う目論見です。
ひろーさん
こんにちは。
相場感は人それぞれ、そこが株式投資の奥の深いところでもありますね。
正直者さん、思い切りましたね。
増配銘柄投資家としての道を貫かれたわけですね。
RDSBを切ったのはわかりますが、CVXを買ったのには驚きました。
正直者さんの銘柄分析を頼りにしている者としては、売っちゃって今後RDSBの銘柄分析しなくなるのであれば、私も売却を考えなければなりません。
『一般取引分の』とありますから、まだいくらか持っておられるのですよね?
そだおさん
銘柄分析には例えば、英語ではSeeking Alphaなど優良なサイトがあるのでそれを参考にしてみてはいかがですか。
RDS.A/RDS.B, XOM, CVX, BP, TOTなどをFCFを重点とした銘柄比較の記事を置いておきますね。
ttps://seekingalpha.com/article/4347884-big-oil-dividend-comparison-shell-exxon-chevron-bp-and-total
物質経済の元である石油から、サイバー経済の元であるソフトウェア・ネットワークにより比重が置かれると考えるのであれば、一旦石油銘柄のポジションを軽くすると言うのも一考ですよ。
そだおさん
一般取引分はすべて売却しましたが、NISA分は少額ではありますがいまだ保有しています。
記事にも書きましたが当方はあくまで配当利回りと自身のライフプランの観点から売却しました。
そだおさんが現在の配当利回りで満足されているのであれば、ある意味さらなる減配の可能性は一旦遠のいたわけですから、当方のように売却する必要はないと思います。
こんにちは。
rdsb、手離したんですね。
最近、原油価格は上がる一方で、株価は下がるから、どうしたものかと不安になりながら、とりあえずspydを少し買い増しました。
経済活動は再開しても急に石油需要が増えるわけではないだろうから、こちらにフルインベストするのはリスクあるなと思う最近です。
あおばさん
― 経済活動は再開しても急に石油需要が増えるわけではないだろうから、こちらにフルインベストするのはリスクあるなと思う
全くその通り、常識的な選択だと思います。
こんばんは。
私も不良中年さんの銘柄分析を非常に
参考にさせて頂いているので
ロイヤルダッチシェルから撤退からの
一気にシェブロンへの投入にはちょっと
驚いておりますが、
逆風の石油メジャーのなかでは、
欧州(BP、ロイヤルダッチシェル)よりも
米国(エクソンモービル、シェブロン)の
方が相対的に優位だと私も比較して思います。
シェブロン増配続けてくれて、
ロイヤルダッチシェル分をカバーしてくれるとい
いいですね(^_^ゞ
ウィニングチケットさん
こんばんは。参考にしていただいているようで嬉しい限りです
今回はあくまでエネルギー銘柄の中でという条件ですがもっとも財務的な安定感のあるシェブロンに一時避難した、という感じです。
いずれにしても今後の配当はすべて原油価格次第、こればかりは神に祈るしかありません。
ひろーさん、ご紹介ありがとうございます。
アメリカのサイトを翻訳して読むという技があることを知りました。
Seeking Alpha、
コメント欄のやり取りが活発で、レイメロラさんもたくさん返信していますね。
アメリカでもここと同じようなやり取りがされているのだと思うと胸熱です。
今後参考にしていきたいと思います。
ありがとうございます。
シェルは独自路線を進むのですね。
時がたてばその判断が正しかったのかどうかわかりますね。
私は昨年11月からRDSBを買いだして、資産に占める割合はまだ1%ぐらいです。
増配銘柄の主力はたばこ銘柄で、石油銘柄はこれから手を広げていこうと思っていた矢先の今回の暴落でした。
正直者さんもまだRDSB持っておられますし、銘柄分析はしてもらえるかな?
RDSBは引き続き持っておきたいと思います。
実は今回の暴落時、RDSBと共に買ったのがARCCでした。
今日も良い人さんのコメントを読んでびっくりしました。
そして今後投資先として考えているのはひろーさんと同じ、IT・ネットワーク関連です。
ここはいろんな人がやってきていろんな意見を述べあって、勉強になる場所だとつくづく思います。
これも正直者さんの人徳だと思います。
ほんとに、不良中年さんに感謝です(⌒‐⌒)
配当大好きですが、
ハイテクもやはり大事だなと
しみじみ最近は、思うこのごろです。
私はコロナ暴落で、ディフェンシブ銘柄は下げ幅が少なく戻りつつありますが、
そんなディフェンシブ銘柄よりもさらに
ハイテク銘柄は下げ幅がより少なくむしろ
値上がりしてるじゃん!という力強さを
目の前にして
QQQ、、、、気になります(*^^*)
ウィニングチケットさん
ハイテクもやはり大事だなと⇒これまったくその通りだと思います。
特に投資期間を長く取れるのであれば、尚更ではないかと。
さらにQQQとなればさらに安心ですしね。
正直者さんこんばんは
たぱぞうさんが素敵な記事をあげておられますね。
『嫁ブロックとは何か』
の次の
『セミリタイアをする人は、周りに影響されない芯のある人』
「たったひとりしかいない自分を、たった一度しかない人生を、ほんとうに生かさなかったら、人間、生まれてきたかいがないじゃないか。」
という『路傍の石』の引用が心に染みます。
インカムゲイン投資の正直者さんにとって、900万円の損失確定は大打撃だったと思います。
でもそれを公開する潔さ。
正に正直者です。
今後書かれるであろう『私のプチ履歴書』で、この一件が失敗談のひとつとなっており、無事目標を達成されることを願っております。
そだおさん
おー、そんな記事をあげておられたのですね。
当方まだ読んでおりませんでした。
とても勇気づけられる内容ですね。
そう、正直だけがとりえ。
これからもそれだけは曲げずに頑張りたいと思います。
解説する人たちの分析や提言で、石油株買うならばシェブロン、と言うのを複数見ました。naobitoさんの行動で、やはりそうなんだ!と思いました。
決断する時はする!流石ですね。金額を考えると行動できない。。。
桁が違う資金ですが、保有を迷った時、投資額が安い銘柄はサクッと売却できましたが、高いものは売れず(保有目的と見通しが先にある事は大前提ですが)。
3月の急落の時、狼狽売りした〜は聞きましたが、狼狽保持、狼狽買いもあるよと言う投資家さんもいて、それ!と思いました。
適切な行動、また勉強になりました。
(なんかわからないクレームっぽい※ありますが、ウーン。ここでは珍しいけどたまにありますね。人に依存しないようにしたいです)
みずほさん
投資額が高い銘柄はなかなか売れないものです。
当方とてそれは同じ。
適切な行動かどうかは決断時点では決してわからない。そこが株式投資の難しさであると同時に魅力でもあります。
シェブロン最近暴騰してますね。170ドル
トーマスさん
増配が楽しみですね。