現地時間の2月6日に電力と天然ガスのサービスを提供するエクセル エナジー(XEL)が2024年第4四半期決算を発表しました。
エクセル・エナジー (Xcel Energy, Inc.) は、電力と天然ガスのサービス会社。 米国で、発電、送電、配電のほか、天然ガスの供給などのさまざまなエネルギー関連サービスを提供する。
コロラド、ミシガン、ミネソタ、ニューメキシコ、ノースダコタ、サウスダ コタ、テキサス、ウィスコンシン州の顧客向けに事業を展開。
(ブルームバーグより)
概要は以下のとおり。
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売上は前年同期比9.4%減の3,120百万ドル。
そして1株利益は前年同期の0.74ドルに対し0.81ドルと9.5%の増益となりましたが、これは前年同期に人員削減費用を計上したため。
この特殊要因を除いた1株利益(継続的利益)は電気・天然ガス料金の改定による増加はあったものの、減価償却費、支払利息、営業費用およびメンテナンス費用の増加等により前年同期の0.83ドルに対し0.81ドルと2.4%の減益に終わっています。
次にアナリスト予想との比較は以下のとおりとなっており、売上、調整後1株利益ともに予想を下回っています。
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最後に注目の今期通期予想1株利益(継続的利益)は3.75ドル~3.85ドル、前期実績の3.50ドルに対し7.1%~10.0%増の予想としています。
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以上、第4四半期実績は減収減益に終わりアナリスト予想を大きく下回ったばかりか、第2四半期以降毎四半期予想を下回り続けており、見通しの甘さを指摘されても仕方なし。
ただ過去10年間の1株利益(継続的利益)は以下のとおり毎期増益を続けており、見事と言うしかありません。
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そして長期目標を維持し以下のとおりとしている。
・長期的な年間EPS成長率を6~8%にする。
・年間4%から6%の増配。
・配当性向50%から60%を目指す。
ということで、
売上✕、利益✕、予想△ =(でも)保有継続
とします。
尚、この銘柄の要チェック事項と言えば、2024年2月に発生した同社が関与したテキサス・パンハンドル地域の大規模な山火事(スモークハウス・クリーク火災)。
その最新の状況ですが、決算資料において、
・スモークハウス・クリーク火災複合施設に関連する損害について、損害賠償請求手続きを通じて約199件の請求を受け、そのうち113件について最終的な和解に至っている。
・スモークハウス・クリーク火災に関連して損失が発生する可能性が高いと判断し、その他の流動負債に2億1,500万ドルの損失見積額を計上している。尚、この金額は当社が合理的に見積もることができる損失範囲の下限に相当し、今後追加情報に基づいて変更される可能性がある。
・2024年の潜在的な保険期間損失をカバーするために約5億ドルの保険に加入している。
・当社は、潜在的な賠償責任に影響を及ぼす可能性のある未知の事実や法的検討事項があるため、損失範囲の上限を合理的に見積もることができない。
との記載がありました。
第3四半期決算発表時点の情報に対し損失見積額、保険金金額に変更はないものの、請求件数は増加しており、契約保険金金額を超える可能性があることは頭に入れておく必要があるでしょう。
またエクセルエナジーは 2021年12月、コロラド州ボルダー郡で発生したいわゆるマーシャル山火事(6,000エーカー以上が焼失、1,000棟以上の建造物が倒壊または損壊。)の訴訟も抱えており、こちらもいまだ未決着となっていることにも留意する必要があります。
(長期増配目標に過度な期待を寄せての投資にあたってはくれぐれも自己責任でお願いいたします。)
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