カナダに本社を置くクロノス・グループ（CRON）が現地時間の2月24日、2月27日に予定していた決算発表を延期する、と発表したことはすでに書きました。
クロノス・グループと言われてもピンと来ない方はこちら。
企業概要
クロノス・グループはカナダの医療用大麻事業会社。
医療目的大麻規制(MMPR)に基づき、カナダ保健省が発行した医療用大麻生産ライセンスを所有または申請する企業への投資を中心に事業を行う。
また、子会社を通じ、大麻油の栽培や医療用大麻の生産および販売にも従事する。本社所在地はトロント。
そう、クロノス・グループは2018年から全国レベルで大麻の一般使用が合法化されているカナダに設立された麻薬を製造・販売する企業。
そしてクロノスと言えば、たばこ大手のアルトリア（MO）が約24億カナダドル（18億米ドル＝約2000億円）で45％の株式を取得し、役員を送り込んだことで話題となった会社。
（さらに4年間でクロノスの持株比率を55％まで引き上げることを可能とするワラント（新株予約権）もオプションとして取得しています。）
ご存じのとおり通常会社が決算発表を延期することは非常に悪い知らせ。
さらに今回の場合発表日がいつになるかを明らかにしなかった。
ということで、嫌な予感がしたわけですが、そのクロノスが現地時間の3月2日、SEC(米証券取引委員会）に2019年12月決算のアニュアルレポートの15日間の提出期限延長の書類（Form 12b-25）を提出したことを明らかにしました。
注目の提出遅れの理由は以下のとおり。
取締役会の監査委員が外部の弁護士、法廷（専門）会計士の援助を得て卸売チャネルを通じた樹脂の購入と製品の販売及びそれらの取引からの収益認識の適切性に関する精査を継続しているため。
「外部の弁護士、法廷（専門）会計士の援助」って、あー、やっぱり社内でなんらかの不正行為が発覚してしまったんですね、、、
となれば通常売上は水増し、仕入れは過少計上でしょうから、今回の調査の結果過去を含め決算数値が大きく修正される可能性が極めて高い。
と考えて間違いないでしょう。
しかもこの15日間の延長も”確約できるものではない”と書かれているではありませんか！
今回の問題の深刻さがわかろうというもの。
決算発表がいつになるかはわかりませんが、アルトリアホルダーとして電子たばこ大手のジュールに続く減損損失計上の可能性が高くなった。
と考えておいた方がいいでしょう。
http://naobito.net/financial-result-mo-20204q/
何はともあれ今後のクロノスの発表に注目したいと思います。
（投資にあたってはくれぐれも自己責任でお願いいたします。）
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