銘柄研究

フィリップ・モリス(PM)がスウェディッシュ・マッチ買収 でアルトリア(MO)が暴落した理由

5月11日、たばこ銘柄のフィリップ・モリス(PM)がスウェーデンの無煙たばこ大手、スウェディッシュ・マッチに買収提案したことが明らかになりました。

そして買収提案していることを会社が認める発言をしたことを受けて、同じくたばこ銘柄のアルトリア(MO)の株価は前日から約7%もの暴落となりました。

今回の買収提案の目的ですが、スウェディッシュ・マッチはメインの無煙たばこの他にタバコ葉を含まないかぎたばこの販売も行っており、これが米国等でも急成長している。

買収によってフィリップ・モリスは、既存の販売網を手に入れることができることになり、米国での販売を強化することになる。

これがアルトリアが暴落した理由。

つまりこれまではアルトリアは米国、そしてアルトリアの旧子会社であったフィリップ・モリスは米国以外、とある程度すみ分けができていた。

(ある程度と書いたのは、フィリップ・モリスの米国での販売はゼロではなく全体の5.5%程度(第1四半期実績)あるから。)

それが買収によって競合することになる。

さらにたばこ産業にとって今後の成長のカギは紙巻き(有煙)たばこから加熱式たばこを含む無煙たばこへの移行。

つまり将来を担う商品での競合。

ということでアルトリアの株価が暴落したわけです。

今回の買収について一部報道は、ここ最近アルトリアとフィリップ・モリスの関係が悪化しており、一種の冷戦状態になっていることがある、

と伝えており、それは今年の2月にアルトリアが、「加熱式タバコでフィリップ・モリスと直接競合する。」と発言したことでも伺い知ることができます。

現時点(直近第1四半期)では以下のとおりアルトリアの売上の中で無煙たばこが占める割合は約1割(10.4%)程度となっており、今回の買収が短期的にアルトリアの業績に大きな影響を与えることはありませんが、中長期的には由々しき問題に発展する可能性があります。

ということで、今後の進展を注意深く見守って行く必要がある。

と考えているところです。

(有煙であれ無煙であれいずれにせよ健康問題を避けて通れない銘柄への投資にあたってはくれぐれも自己責任でお願いいたします。)

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