投資成功のヒント

加入歴30年を経て ― 会社の持株会に加入すべきか? をあらためて考えてみた

今回は当ブログのコメント欄に質問のあった件を考えてみたいと思います。

質問の内容ですが、

非上場企業の持株会に加入すべきか?

というもの。

実は当方、自社の持株会に加入しており、加入歴はかれこれ30年にもなります。

但し、加入した理由はお願いという名の当時の上司から半強制であり、損得勘定を考慮する余裕はありませんでした。

ということで、もし今自分が同じ状況だったら加入の判断にあたり何を確認しておくか?という視点で書いてみたいと思います。

奨励金は出しているのか?また出している場合拠出額に対していくらか?

現在多くの持株会で奨励金を出しています。

例えば拠出額が1口1000円として1口に対して100円の奨励金を出していれば、これだけで10%分余計に株を購入できるわけでこのメリットは非常に大きいと言えます。

売却は可能か?

非上場ですから市場で売却できない。

通常は持株会が買い取りをすることになると思いますが、それが可能なのか?

ちなみにここで言う可能の意味は、気兼ねなく、制約なく、プレッシャーなく売却できるのか?ということ。

これもいざという時のために非常に大きなポイントとなります。

規定上売却可能となっていても、実際には会社・上司の無言のプレッシャーで退職時まで売却に踏み切れないのであれば、それは売却可能とは言いません。

(いざという時、については後述します。)

また売却の際の株の評価方法についても事前に確認しておくべきと考えます。

配当は出しているのか?

今さらですが株式保有のメリットは株価上昇と株主還元。

そして株主還元と言えば配当。

ということで、直近数年でどの程度の配当を出しているのか?配当性向と配当利回りを知っておくことも重要です。

株主還元に積極的な会社であれば、持株会への加入でさらにメリット(楽しみとも言う)を得ることができます。

会社は従業員に対して会社業績をどの程度開示しているか?

これは非上場企業の場合大きなポイントとなります。

従業員であれば昇給やボーナスの月数、さらには残業を含む経費管理でおおよそ業績の良し悪しはわかるものですが、やはりきちんとした数字で知り得るかが重要。

例えば上場企業並みに四半期ベースでBS、PL等の情報を従業員にきちんと開示していればある程度安心して投資することができるというもの。

逆に年1回、ある意味しぶしぶ開示しているようでは、安心して投資を続けることはできません。

会社に将来性はあるのか?

実はこれが一番重要なのですが、正直未来のことは誰にもわからない。

但し、自社株を購入することで得られる一番のメリットが、会社の状況を誰よりも早くわかる、ということ。

(これがゆえにインサイダー取引が厳しく規制されているわけです。)

例えばライバル企業に対して自社が優位にあるのか?技術力・価格競争力がなく失注を繰り返しているのか?受注はできているが実は採算度外視で取っているのか?等、社内にいるからこそわかる。

あるいは優秀な人材がどんどん辞めていくとか、その逆とか。

これらによって会社の将来性はだいたいわかる。それも勤続年数とともにその見立ての精度は高まっていく。

自身の経験からそう言い切れます。

そこで大事になるのが、いざという時、つまり会社の将来性に疑問を感じた時に逃げられるのか?

つまり制約なく売却できるのか?という点。

常に順風満帆でそんなことを気にしないでよいのであれば話は別ですが、退職までの期間が長ければ長い程リスクが高まることは間違いない。

最後にもし会社が将来上場を(真剣に)目指しているのであれば、その加入メリットは非常に大きいと言えます。

以上書いてきましたが、上記内容を総合的に勘案して加入の判断をされてはいかがでしょうか?

尚、自分だったどうするか?

ですが、

ゼロか百か?つまり加入するかしないかではなく、とりあえずは加入します。

(今回質問された方の場合、持株会は管理職しか加入できないようですので、会社への忠誠心という意味でも。)

但し自身のリスク許容度を考慮し、投資額を決定する。

そしておそらく掛金の変更は可能なはずですので、状況に応じて変更する。

(自社株を購入するということは、会社への依存度をより高めることになります。つまり万一会社が倒産したら収入ゼロに加え株式が紙くずになる、つまり資産も失うことを頭に入れておく必要があります。)

要は、

投資判断はあくまで投資家目線で。

但し、従業員としての視点も忘れずに。

といったところでしょうか。

以上、多少なりとも参考になれば幸いです。

(持株会への加入にあたってはくれぐれも自己責任でお願いいたします。)

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POSTED COMMENT

  1. ひろー より:

    こんにちは。
    非公開会社の場合は株式の売買契約書を作り、
    取締役会または取締役会の非設置の場合は株主総会の承認を経て株式の所有権が移転させられるはずです。
    https://fundbook.co.jp/how-to-transfer-stocks/
    持株会の場合は、どうなんでしょうね。。。
    というわけで、そこまで売買に対してプレミアムが乗るわけではないはずです。

    当方の前職の場合は配当に相当する金額が給与に上乗せする形で毎月数百円前後払われてました。
    これはこれでBNDやAGGみたいな定期収入のインカムゲインとして多少は収入アップに貢献してくれました。

  2. あおば より:

    こんにちは。
    ひろーさん、コメントありがとうございます。
    なおびとさん、真剣に考えた記事、ありがとうございます。
    いろいろ考えましたが、組合を抜けた時に、組合費が積み立て分で100万近く返金されるので、それのいくらかは会社の持ち株に充てたいと思います。
    ただ、何株買えるかはあとで本社の連絡次第になりますが。
    会社の将来性により暗雲が立ち込めたら、速攻で売却出来るかは要確認ですね。参考にさせていただきます。

    自分のような未熟で知識の足りない者の相談にも乗っていただき、本当に感謝しています。

  3. そだお より:

    あおばさん

    結論出された後にコメントするのも何ですが、
    せっかく私にも振ってくださいましたので。。。
    私だったらどうするか?

    税引き前で10%近くなら買いたいですね。
    決め手は会社の財務でしょうね。
    会社が潰れれば持ち株は紙くず、給料ももらえない
    のダブルパンチですから、
    退職まで会社は潰れない、そして私たちにとって一番怖い言葉、
    減配しないとの見込みがあるかないかが、
    持ち株会にはいるかどうかの基準になりますでしょうか?

    いくら充てるかは他に注目している銘柄との兼ね合いですね。

    正直者さんの記事やひろーさんの分析の後では当たり障りのないコメントですね。
    従業員としてはクソ会社でも、配当金をたくさん出してくれる会社は投資家としていい会社ですね。
    減 配 し な け れ ば

  4. ウィニングチケット より:

    皆さんこんばんは

    あおばさんの会社の将来性が楽しみですね。
    私も持ち株会のある会社に務めていたことが
    ありますがそのときは皆、配当がやはり
    最も嬉しいものでした。

    お小遣い制のもとにあるサラリーマンお父さんに
    とっては配当金が何よりのお小遣いの足しにっ(笑)
    給与口座とは別に入る制度だったので脱税ならぬ
    嫁さんにばれずに全部お小遣いにしてニコニコしている
    先輩方がたくさんで自社株式総会のあとでは
    配当金情報にホクホクニコニコの先輩たちの顔が今でも忘れられません(笑)

    • naobito より:

      皆さんこんばんは。
      皆さんそれぞれ自社株に関する経験があり、参考になりますね。
      あおばさんの会社の場合現在の配当は税引き後で8%近くということは利益率がかなり高いか、株主還元に力を入れている会社と推測しています。
      タラレバは禁物ですが、仮にこの先13年(減配して5%なら20年)現在の配当を維持すれば元が取れ、たとえその後紙くずになっても損はしない
      計算になりますが、投資額についてはあおばさんのリスク許容度、ということになろうかと思います。

  5. あおば より:

    こんばんは。
    そだおさん、ウィニングチケットさんもコメントありがとうございました。

    やはり僕もrdsbでまさかの減配をくらっているので、自分の会社でも減配しないのかは目を光らせておく必要がありますね。
    配当はどの程度今の利率を維持してきたのか、増配しているのか、など聞きやすい課長友達にも聞いてみます。

    みなさん、本当にありがとうございます。コロナ禍で友達と会える回数は減りましたが、ここでは親身になってくれる仲間が増えたので、嬉しい限りです。後日、結果報告致しますので、期待せずにお待ちくださいませ。

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