米食品医薬品局(FDA)が現地時間の1月2日、果物やお菓子、ミントなどの香料を使用したフレーバー付き電子たばこ製品に関する規制の枠組みを発表した。
30日以内に販売を中止するよう求め、その後は当局が承認した製品のみ販売を認める。
フレーバー製品は未成年の使用率が高く、ニコチン依存のまん延を招いていると批判が集まっていた。
と日経新聞が伝えました。
電子たばこと言えばアルトリア(MO)。
ご存じのとおりアルトリアは電子たばこで圧倒的シェアを誇るジュール・ラブズに128億ドルもの大枚をはたき35%の出資を行っています。
このニュースを見て当方ほっと胸をなでおろしました。
確かに電子たばこの中で特に若者にも人気の高かったミント風味、さらには果物やお菓子のフレーバー風味の販売が禁止されるのは痛手。
ではあるのですが、今回の販売禁止についてすでに昨年9月に表明されていた内容。
しかもトランプ大統領は当時
「我々は国民が病気になることを許すことはできない。」
「国民が死んでいるんだ。」
「罪のない子供たちを守るために電子たばこに対する非常に強い行動が必要だ。」
と述べ、「たばこ風味以外のフレーバー付き電子たばこの販売について数週間以内に全面的に禁止する。」と発表していました。
それがその後は大統領選への影響を考え「電子たばこを禁止すれば、より健康被害が大きい紙巻きたばこの使用者が増える懸念がある」徐々にトーンダウン。
そして今回発表された内容はたばこ風味とメンソール風味は対象外、さらには容器交換が可能なカートリッジ型に限られており、自分でフレーバーを加えて味わいを変えられる「オープンタンク」型の電子たばこも、未成年の使用が少ないとの理由で規制の対象外。
となったわけです。
実はジュールはすでに昨年今回対象となったフレーバー製品の販売は取りやめています。
ここからは推測となりますが、ジュール(アルトリア)としては何とか全風味の販売禁止だけは避けたい、と考えていたのではないでしょうか。
消費(喫煙)者の側からすれば、大好きなミント風味等が吸えない、でも電子たばこは止められない、となればまあ味はイマイチだけどメンソールで我慢するか。
となるのではないでしょうか。
そして最初はイマイチだったその味に徐々に慣れ、やがては常習化していく。
更にもっとも通常のたばこの風味に近い、と言われているこのメンソール味に慣れてしまえば、たとえその後メンソール風味が禁止されたとしても、たばこ風味に、さらにそれが禁止、つまり電子たばこ自体が禁止されても自然に紙巻きたばこへと流れていく。
それがたばこの怖さであり、魔力であるわけです。
「いやいや、そうは言ったって政府が先日全米での喫煙年齢を18歳から21歳へと引き上げたのを知らないの?」
って言われるかもしれませんが、そもそも電子たばこは高校生に人気があったわけで、すでに喫煙年齢はあってないようなものだったわけです。
たばこって麻薬やアルコール同様いったんその味を覚えてしまうと、たとえ法律がどうあろうとなかなか止められないのではないでしょうか。
発表当日の株価は1%以上の下落となりましたが、翌日3日にはほぼ値を戻しています。
この株価の動きが当方がほっとした気持ちそのものを表しているような気がするのですが、気のせいでしょうか。
(たばこ銘柄への投資にあたってはくれぐれも自己責任でお願いいたします。)
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