現地時間の7月25日、化学・電気素材大手のスリーエム(MMM)が第2四半期決算を発表しました。
まず会計基準ベースでの概要は以下のとおり。
売上高はすべてのセグメントで減収となり全体では前年同期比で4.3%の減収。
事業分離1.2%、為替(ドル高)0.9%を除いたいわゆる既存事業売上高でも2.2%の減収となっています。
次に利益の方ですが当期損失6,841百万ドルを計上。
その理由はPFAS飲料水汚染訴訟での和解費用(税引前費用103億ドル)を計上したため。
PFASとは、パーフルオロアルキル化合物及びポリフルオロアルキル化合物の略。いわゆる有機フッ素化合物のことであり繊維品・台所器具・電子機器・車部品の表面コーティング等に使用されている。
和解費用を含む特殊要因を除いた調整後1株利益は以下のとおり2.17ドルと前年同期の2.45ドルに対し11.4%の減益に終わっています。
一方アナリスト予想(FactSet consensus)との比較では、以下のとおり売上、利益ともに予想を上回り、特に利益は25.4%増となっています。
最後に注目の今期2023年通期予想(NONーGAAPベース)ですが、調整後1株利益で前回の8.50ドル~9.00ドルから8.60ドル~9.10ドルと前回予想を上方修正しています。
以上、第2四半期は巨額の和解費用計上により赤字転落と非常に厳しい結果となりましたが、調整後1株利益がアナリスト予想を大きく上回ったこと、そして通期予想を上方修正したことは朗報でしょう。
さらにいまだ期の途中とは言え、営業キャッシュフロー(6ヶ月累計値)が前期の2,138百万ドルに対し2,784百万ドルと大きく増加していることもインカムゲイン投資家に安心感を与えています。
ということで、
売上×〇、利益×〇、通期予想〇=様子見
とします。
(まもなくヘルスケア部門のスピンオフを予定している銘柄への投資に当たってはくれぐれも自己責任でお願いいたします。)
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