決算発表

ファイザーの第3四半期決算 新型コロナワクチンの治験遅れ公表に左右されない理由

ヘルスケア大手のファイザー(PFE)が現地時間の10月27日に第3四半期決算を発表しました。

まずこちらがGAAP、いわゆる会計基準ベースでの概要となります。

売上は主要医薬品の一部に対する需要が新柄コロナの影響で後退したこと等により、前年同期比で4%の減収。

そのコロナの影響がマイナス4%ということで、これを除外した場合はほぼ横ばいということになります。

ただ現在のファイザーの場合、全体ではなく事業別の数字を確認する必要があります。

御覧のとおり特許が有効な処方薬を中心とするバイオファーマ(Biopharma)事業は抗血栓薬「エリキュース」等が好調で前年同期比で3%増と増収を確保。

一方スピンオフされマイランと統合される特許切れや後発薬を中心としたアップジョン(Upjohn)事業はマイナス18%の大幅な減収となっています。

ということで想定内の内容。

なぜなら今後ファイザーは新薬開発(バイオファーマ)事業に経営資源を集中し、安定を捨てより高いリスクを取ることで成長を追うことを発表しており、その方針に沿った結果となっているから。

次に利益ですが、事業売却益(前年)等の特殊要因を除いたNON-GAAPベースで確認することに。

こちらは調整後1株利益で0.72ドルと前年同期比では3%の減益。

しかし市場予想(S&P Capital IQ コンセンサス)の0.71ドルを上回っています。

また通期予想は以下のとおり前回予想のレンジを狭めており、調整後1株利益では市場予想の2.72ドルを上回りました。

一方注目の新型コロナワクチンの開発状況ですが、ファイザーの治験には4万2000人あまりが参加しており、10月26日時点でうち約3万6000人が2回目の接種を受けたとのこと。

但しいまだ有効性分析を行っておらず、後期治験のデータを公表する段階にはないことを表明しました。

CEOは当初、早ければ今月にもワクチンの有効性に関するデータを発表できる、としていたわけで残念ながら治験の進捗遅れが露呈することとなったわけです。

しかし当方もちろんホールドです。

その理由はジョンソン エンド ジョンソンのワクチン開発の記事で述べたとおり。

ジョンソン エンド ジョンソンが新型コロナワクチン最終治験を再開 は朗報だが相変わらず重要視しない理由ジョンソン エンド ジョンソンが現地時間の10月23日、新型コロナワクチンの臨床試験再開に向けて参加者を募る準備を進めていると発表しまし...

そう、今回のワクチン開発は新薬の開発のうちの一つでしかないから。

ましてやコロナワクチンに関して言えば、(少なくとも当面は)採算は考えていないだろうから。

ということで、今回の治験遅れの公表には一喜一憂しないし、重要視もしない。

そういうことです。

(ワクチン開発競争の渦中にある銘柄への投資にあたってはくれぐれも自己責任でお願いいたします。)

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