定例の「次は何を買おうかリスト(配当貴族銘柄編)」のアップデートを行いました。
配当貴族銘柄とはご存じのとおり25年以上連続銘柄を続ける企業のこと。
そして取り上げた銘柄は、S&P500配当貴族指数を構成する銘柄。
すなわち、
① S&P500指数の構成銘柄であること
② 25年以上、連続で増配していること
③ 時価総額が30億米ドル以上であること
④ 1日当たりの平均売買代金が500万米ドル以上であること
尚、今回今回新たに追加、削除した銘柄はありません。
まずこちらは配当利回り順のリストとなります。
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トップ10の中で我々になじみのある銘柄と言えば、先月同様1位のアルトリア(MO)、シェブロン(CVX)と言ったところでしょうか。
ちなみにアルトリアの配当利回りは3月末より下がったとは言え6.9%と相変わらず高いものの、万年不人気のこの銘柄の場合決して異常値とは言えないというか平常水準にあることには留意する必要があります。
続いて紹介するのがこちらのリスト。
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こちらはトータルリターン(10年)が市場平均(SP500)に連動する代表的なETFであるVanguard S&P 500 ETF(VOO)のトータルリターン12.15%を超える銘柄のみをピックアップしています。
トータルリターンとは
トータルリターン(Total Return)とは、一定期間内に投資商品への投資から得られる総合収益を指します。
これにはキャピタルゲイン(譲渡益)だけでなく、再投資された分配金(インカムゲイン)などが含まれます。
こうした利益の合計額を投資コスト(購入価格)で割ってパーセンテージで表すことが多く、総収益率ともいいます。
トータルリターンは、投資信託の運用成績を表す際に用いられます。
分配金を全て再投資したと仮定し、ある一定期間の分配金込みの基準価額の騰落率を年率で表します。
(SMBC日興証券HPより)
全20銘柄を見るとやはり高配当と高成長は両立しない、というセオリーを垣間見ることのできるリストとなっていますが、配当利回りが3%を超える銘柄は3.4%の15位アッヴィ(ABBV)と20位ネクステラ・エナジー(NEE)の2銘柄。
アッヴィはラインクインの常連銘柄ですが、今回公益事業銘柄のネクステラ・エナジーが初ランクインとなりました。
ネクステラ・エナジー(Nextera Energy Inc)は、電力およびエネルギーインフラストラクチャ企業である。
【事業内容】
100%所有子会社のNextEra Energy Resources, LLCおよびNextEra Energy Transmission, LLC(総称してNEER)とFlorida Power & Light Company(FPL)を通じて事業を展開する。
セグメントには、NEERとFPLが含まれる。
FPLセグメントは、フロリダ州で電力の発電、送電、配電、販売を行う料金規制対象の電力会社である。
FPLは、約35052メガワットの純発電容量、91000マイルを超える送電線と配電線、921の変電所を所有する。
NEERセグメントは、米国とカナダの卸売エネルギー市場で発電施設を所有、開発、建設、管理、運営しており、バッテリーストレージ、天然ガスパイプライン、再生可能燃料など、クリーンエネルギーに重点を置いた他の事業への資産と投資も行う。
北米で料金規制対象の送電施設を所有・開発・建設・運営する。(SBI証券より)
ただこの銘柄はこれまでぎりぎり市場平均を下回りランクインを逃していた経緯がありますのでそれ程驚きはありませんし、今後業績に関係なく市場全体の下落等に伴う株価下落で配当利回りが4%を超えて来たら本格的に購入を検討したいと考えています。
ちなみに当方も保有するアッヴィの直近の決算ですが、4月25日に発表した直近2025年第1四半期決算は前年同期比増収(+8.4%)増益(+6.5%-調整後1株利益)となり、4月3日公表の事前予想利益2.34ドル~2.38ドルを上回りました。
また関税等事業に影響を及ぼす可能性のある貿易政策の変更は反映されてはいないものの、今期2025年通期見通し(調整後1株利益)を以下のとおり前回予想の11.99ドル~12.19ドルを上方修正し、12.09ドル~12.29としています。

さらに決算発表でCEOであるロバート・マイケル氏は以下のとおり発言しており、長期的に見て期待が持てそうです。
「我々のビジネスの基盤は強固であり、パイプラインの進展と戦略的投資により見通しを強化し続けている。我々が進めている進捗に基づき、アッヴィは長期的に良好な位置にある。」
「アッヴィは既に米国でのプレゼンス構築に50億ドル以上の資本を投資している。また、肥満治療などの新規分野への進出を支援するため、今後10年間で100億ドル以上を米国に投資する計画がある。」
今回ネクステラ・エナジーがランクインとなったわけですが、3%を超えている銘柄は2銘柄しかないわけで、やはりいいとこ取り、つまり、
25年以上連続増配を継続しつつ利回りが高いにもかかわらず株価も順調に上昇している銘柄はなかなか存在しない。
という現実を表すリストとも言えるのではないでしょうか。
ただそんな中でもこうやって毎月リストを愚直にアップデートすることで、いつの日か2019年にアッヴィを初めて購入した時のように、連続増配+株価上昇+高利回りのいわゆる二兎取りならぬ三兎取り銘柄に新たに出会える日が来る、と信じています。
インカムゲイン銘柄のパフォーマンスが市場全体のそれに劣後することを否定する気は毛頭ありませんが、いかなる相場環境にあっても、さらにとりわけトランプ関税によって景気後退が現実味を帯びている現在のような状況において長きに渡り増配を継続してきた銘柄が投資家に安心感を与えていること、これだけは確かです。
何はともあれ本リストが皆さんの銘柄選びの参考になれば幸いです。
(本リストを妄信しての投資にあたってはくれぐれも自己責任でお願いいたします。)
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