銘柄研究

エクソン・モービルの2022年第3四半期決算がまずまず安心できる合理的理由

エネルギー大手のエクソン・モービル(XOM)が現地時間の10月4日にForm 8-Kを提出し、2022年第3四半期の見通しを公表しました。

Form 8-Kとは

Form 8-Kは、アメリカ合衆国において、株式公開企業(SEC登録企業)に提出が義務付けられている、SEC向け報告資料の開示様式(フォーム)のことをいいます。

現在、SEC登録企業では、会社支配権の変更、企業買収、行政処分、破産、取締役の退任、監査人の変更などの財政状態に影響を与えるイベント(特別な事象)が起こった場合に、このフォームを用いてSEC(米国証券取引委員会)に報告すると共に、迅速な対外発表が求められています。

(iFinanceより)

その内容は以下のとおり。

この表は上からセグメント別の2022年第2四半期の実績の当期利益(NON-GAAPベース)、そして2022年第3四半期決算に影響を与える要因を市場要因と計画された要因や季節的要因等に分けて開示したものです。(単位は億ドル)

市場要因の内容としては、アップストリーム事業では原油価格やガス価格、エネルギー製品事業、化学製品事業、特殊製品事業ではマージン等となります。

また、計画された要因や季節的要因等に関する内容としては、修繕費の計画に対する変更やガス需要の季節的変化等となります。

御覧のとおりエクソン・モービルの2022年第2四半期決算は、原油・ガス価格の上昇等により176億ドルもの黒字となりました。

そして今回、この実績に対して2022年第3四半期に影響を与える要因を開示したわけですが、影響額の合計額はいわゆる下限値でマイナス31億ドル、そして上限値でマイナス3億ドルとなっています。

今回第2四半期に対してマイナスになる主要因ですが、第3四半期に影響を与える市場要因においてエネルギー製品が28億ドルから24億ドルものマイナスとなっており、このうちマージンの減少(-29億ドル~-27億ドル)によるところが大きくなっています。

尚、アップストリーム事業は-4億ドルから+10億ドルの変動となっていますが、詳細を見ると原油価格の下落によるマイナスをガス価格の上昇で相殺している状況となっています。

通常我々投資家がこのような予想データを確認する際、頭に入れておくべきは下限値(悲観値)で見ておくこと。

となると下限値での影響額は2022年第2四半期実績の176億ドルに対してマイナス31億ドルとなり、145億ドルの利益が見込まれておりまずまず安心できる数字となっています。

もちろん今回のリリースについては、以下のコメントが記載されているわけで、実際の業績とは差異があることは百も承知。

本資料は、当社の業績に影響を与えるすべての要因を網羅的に示すものではなく、また当社の2022年度第3四半期の業績を予測するものでもありません。

実際の業績やここで特定された要素の影響は、ここで特定されていない他の要素の影響により異なる可能性があります。

エクソンの第3四半期決算の発表日は現地時間10月28日の予定。

”まずまずの安心感”を持って臨みたいと思います。

(予想値を妄信しての売買にあたってはくれぐれも自己責任でお願いいたします。)

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